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レナ ~107番が見た夢~ 補稿版

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【レナ】
「2週間も?……」
 思わずそう言っちゃった、でもすぐに後悔したの、だって幸男さんにはお仕事があるんだもん、お仕事を頑張ってお金を稼いで会いに来てくれるんだもん、そんなこと言ったら幸男さんを困らせるだけ。
 でも幸男さんは怒らないで、『出張が終わったら真っ直ぐにここに来るよ』と言ってくれた、2週間も会えないなんて想像もできないけど、必ずすぐに来てくれるって言ってくれたんだから信じるしかない。
 次の朝早くに空港に行かなくちゃいけないんだって言ってたけど、幸男さんは終電の時間ぎりぎりまで一緒にいてくれた。
 どこへ行って、何をして、いつ帰って来るのか、全部詳しく教えてくれた……それからいつものように……ううん、いつもより激しく抱き合って愛し合ったの、2週間分の幸せを貯めておくことなんかできないけど……。
 幸男さんが帰り支度を始めた時、ちょっと泣きそうになっちゃった。
 でもそんなことしたら困らせるだけ。
「待ってるから、早く帰って来てね」
 あたしはできるだけ明るく言ったの、幸男さんは最後にあたしを強く抱きしめてくれて、情熱的にキスしてくれて、名残り惜しそうに出て行った。
 お客さんが出て行ってから20分間くらいはドアを閉めていても良いの、ベッドを整えたりシャワーを浴びたりするための時間なんだけど、あたしは何もする気がしなかった、幸男さんの肌の感触をシャワーで洗い流したくなかったし、愛し合って乱れたベッドもそのままにしておきたかった。
「2週間かぁ……長いなぁ……」
 あたし、幸男さんの前では言えなかった言葉を口に出した……がまんしてた涙もぽろぽろ流れて来ちゃった……。