悠久たる時を往く 〜終焉の時、来たりて〜
原初世界を支配し、アリュゼル神族と争い破れ、そして永きに渡り追放されていた神々——タインドゥーム。彼らは気の遠くなる神代、暗黒の宙の果てから、アリューザ・ガルド帰還に向けての計画を進めていた。
その過程において、彼らの盟主たるスコル・ルアシャが死んだ後——何の因果か——その魂はアリューザ・ガルドの人間へと転生を果たしたのである。
ここより計画は大きく動き始めた。アリューザ・ガルドに直接影響を及ぼす力を得たからだ。
まず、冥王を滅ぼす“力”を求めていたトゥファールに囁き、彼に“テクノロジー”と、機械群を与えた。“テクノロジー”とは、古神たちが生み出したのだ。
さらに古神たちはライブレヘルの意思を操り、アリューザ・ガルドに“テクノロジー”による兵団を繰り出させた。ライブレヘルは操られるがまま、技師ピェトに、“テクノロジー”に関する全ての権限を託し——ピェトは“テクノロジー”を世界に広めた。
彼らの狙いは一つ。魔力の枯渇による、色の喪失。つまり、原初世界の再現である。
そして遠大なる計画はここに成就した。
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漆黒の天上。その天の蓋が落ちた。そして見よ。古の神々たちがやって来る。
神々の戦いがはじまろうとしている。
作品名:悠久たる時を往く 〜終焉の時、来たりて〜 作家名:大気杜弥