オヤジ達の白球 41話~45話
「神に誓う。俺は絶対に失敗しない!。
見てろ。あの投手から、超特大のホームランを打ってやるから」
「たしかにおまえは大学時代、ホームランバッターだった。と聞いている。
だがいまは、50歳まじかのジジィだぜ。
ホールランを打つ体力が、いまだに残っているのかょ?」
「選手を信頼しないとはまったくもって失礼な監督だな。
祐介、おまえってやつも。
芯を喰えばいまでも300ヤードはかるく飛ぶ」
「300ヤード?・・・それはゴルフの話だろ。
無理するな。振り過ぎて腰を痛めたら、みんなの笑いものになるぞ」
祐介の苦笑を背中で受けながら、柊がベンチから出ていく。
バットをおおきく振り回したあと「代打、俺。県庁の総合土木職、
所長の柊です!」勝手に代打を告げる。
「柊?。柊という苗字はめずらしいのう。
もしかすると大学選手権で、3連続ホールランを打ったあの伝説の柊か!」
3塁で塁審をつとめている事務局長が、目を細める。
柊というめずらしい名前を聞いて、遠い昔の記憶を思い出したようだ。
バッターボックスの柊へ声をかける。
「はい。いまから30年前の話です。
たしかに選手権の文部大臣杯で、3連続ホームランを打った柊洋一です」
作品名:オヤジ達の白球 41話~45話 作家名:落合順平