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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 2 「希望と絶望の使者」

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 私が設計される50年ほど前の80(ハチマル)世代の機体には、あまり高度な知能は備わっていなかったようだわ。限られた任務に特化してプログラムされて、単純作業を繰り返すために使われていたから。その後、SK世代になってから、人の任務を代行するために、より高度な知能がプログラムされるようになったの。SK2000はその先駆けで、体全体はまだメカニカルだけど、CPUには80(ハチマル)の2000倍の情報処理領域があるの。私たち3000シリーズ(SS3000番台)の知能は、3000倍って訳。そこまで来ると人間より、高度な演算機能になっているわ。見た目も人間に似せられて、バイオロジカルロイドと呼ばれている。でも、私たちアンドロイドは、人間を超えようなんて思っていない。それでも人類は、感情を持った私たちを脅威と感じるのかしら。


「いないいない、ばあ」
「ww・・・・・・」
「いないない・・・ばあぁ!」

 キュウがミュウのことをあやしてくれている。キュウが赤ちゃんに接する時、愛情を感じられるわ。父親のケイより、感情表現が豊かってことは変な気がするけどね。
 ケイはホログラムチャンバー内に、保育所プログラムを作ってくれた。ホロプログラム内なら、フェイルセーフ(安全装置)がかけられているから、安全に赤ん坊を育てられる。優秀な保育士のホロキャラクターに任せておいても安心だわ。それに、多くの子供たちもプログラムされているから、ミュウにも友達が出来て、社会性を学ばせることが出来るはず。それに私もそこにいると、とても楽しい。でも、実験でホロチャンバーを使用する時には、保育所を利用出来ないから、私かキュウがミュウを見ていないといけないの。

 ケイの計画は、こう。私が基地周辺を開拓する時間が持てるように、子育てに取られる時間を、メカロイドに担わせようとしてくれている。でもベビーシッター(専用アンドロイド)に任せっきりってわけじゃないのよ。いつも私の側に従わせて、ミュウを抱っこしていてくれれば助かるってだけ。その間に、庭にもっともっと植物を植えたい。その作業にも、私にヘルパーを1機付けてくれる。そうすれば研究時間が取れて、乾燥に強い多肉植物でなら、庭だけじゃなくって、もっと広い範囲まで、草原が作れるかもしれない。