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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 2 「希望と絶望の使者」

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「SK2000シリーズの機能は優れているわ。私たちほど人間に似せられていないけど」
「SK2000番台は、製造出来ません。そのパテントはまだ切れていませんので、基幹パーツを勝手に3Dコピー出来ないのです」
ケイも手に持っていたリンゴを一口かじった。
「じゃ、それ以前のモデルってこと?」
「80EX以前なら可能です」
「その80(ハチマル)世代って言やぁ、もうただのロボットじゃねえか」
「はい。でも決して裏切りません。初期型のメカロイドは人間に対しての安全対策も緻密で、暴力的行動に対しては、フールプルーフ(誤った行動に対する制限)がかけられています」
「じゃ、何機くらい製造するつもりだ?」
「まだ大量生産は不要です。まず、ミュウのベビーシッターとしてはどうでしょう?」
私はケイに近付いて、作業机の椅子に腰かけた。
「あの子は、私自身で育てたいんだけど」
「でも1日中、エルが抱いているわけにはいかないでしょう」
「キュウもよく面倒を見てくれているわ。それに、ジェイも優しく抱き上げてくれるし」
「俺は、プログラムで繊細なものを扱うように行動しているだけだ。愛情からじゃねえよ」
「そうなんだ。80(ハチマル)にもその機能が備わっているから、赤ん坊を任せても、事故を起こした記録はない」
ケイはジェイに話しながら、食べかけのリンゴを私に手渡してくれた。その表情から、美味しいリンゴだったみたい。
「そう。じゃ、私たち一人ひとりに1機ずつ付けて、使い勝手をテストしましょう」
私はケイの食べかけのリンゴを、かじりながら言った。・・・あら、なんて甘いリンゴ。
「じゃ、5機必要ってことだな」
「牧場の世話係もいた方がいいのではないですか? エル。」
「それはそうだけど、増産はテストが済んでからにしましょう」
「じゃあ、お前さんの世話係も、要らねえんだってよ」
ジェイが、側の椅子の上で丸まっている、タック(猫)の背中を指先でなでた。
タックは、「にゃー」と静かに鳴いた。