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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 2 「希望と絶望の使者」

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第一話 ロボット



「窒素79.25%、酸素17.32%、二酸化炭素2.35%、アルゴン1.02%。先月より酸素濃度が0.03ポイント上昇しています」
 大きなリンゴを一つ手に掴んで、ケイが大気中の酸素濃度の測定値を私に報告してくれた。アップルの大気は、二酸化炭素濃度が高かったの。外で活動するには、酸素マスクが不可欠だったけど、基地の数キロ周辺では、テラフォームエジェクターによって、水から取り出された酸素を、大気中に放出することで、なんとか酸素マスクなしでも生活出来るようになったわ。それはケイの発明。彼は科学者型のモデルで、コンピューターのありとあらゆる科学知識と直接リンクすることが可能だから、この星の開発にすごく力になってくれている。

「少しずつだけど、この星の環境も地球に近付きつつあるわね」
「はい、各地にエジェクターを増設すれば、100年後には惑星全体をカバー出来るようになるでしょう」
「そんなに早く? 100年なんてあっという間じゃない」
ケイがラボ(研究室)の作業机に腰かけた。ケイはいつも机に座って話すわ。
「それなら、クルーが多ければ、もっと早く実現出来るんじゃねえか?」
ジェイが、机の上にもう一つ置かれたリンゴに、手を伸ばして言った。そして彼はいつも、リンゴを大きくかじる。
「ああ、エルの生殖能力でセカンドロイドを産出し続けた場合、サードロイド(アンドロイドの孫世代)以降の増加も考慮すると、100年後のこの星の人口は、1000人を超えることも可能だ」
「ははは、私は何人産む計算なの?」
「40人程度です」
「それはゴメンだわ」
「そこで提案なのですが、人手として、SS3000以前のメカニカルロイドを製造してはどうでしょうか?」
「バイオロイドじゃなく、旧世代機種をか?」
ジェイは無表情でリンゴを噛み砕きながら聞いた。