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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 2 「希望と絶望の使者」

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第八話 進化の制御



 勢いよくドアを開けて、ケイが部屋に駆け込んで行ったわ。
「どっ、どうしたの?」
大きなドアの音に、キュウが驚いた様子で訊ねた声が聞こえた。

 ケイは部屋の入り口で立ち止まり、中の様子を一瞬で確認し、しばらく静止している。
そこへ私が追い付いて部屋に入った。私は立ち止まらずに、ピンキーに抱えられているミュウの下に駆け寄った。
「どうされたのですか?」
ブルーノが冷静な声で訊ねると、
「ミュウが激しく泣いていたので、心配したのだ」
と、ケイがブルーノを直視しながら答えたわ。でもブルーノに対する疑念を持っているのは明白。それでもマダム・スーがそこにいるという確信はなかったけど、心配しているということ、つまりケイにも感情があるということを隠さなかった。
「心配など要りません。ミュウ様は赤ちゃんですので、泣くのは当然です」
「いつもと様子が違うわ」
「ミュウ様、どうしちゃったの? おー、よしよし」
ピンキーはやさしくミュウを揺らしながら、部屋の中を歩いてみた。しかし、一向に泣き止む気配はない。
「外を散歩してみようかしら」
私はこの部屋からミュウを連れ出したかった。その子をピンキーから受け取り、部屋を出ようとした。
「ブルーノ。キュウまでスキャンしているのはどうしてだ」
ケイはキュウに取り付けられたスキャナーに気付いて、ブルーノを睨み付けるようにして聞いた。