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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 2 「希望と絶望の使者」

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「安定して注入出来る器具ですから」
ケイも当たり前のように私に言ったけど、やっぱりキュウの言う通り、なんだか物足りない。ジェイは足踏みをして、
「これで死んでしまわないだろうな」
「その程度では、多少DNAの鎖が分裂してしまうかもしれませんが、また再生するでしょう」
ブルーノが説明した。それをケイが聞いて、
「ブルーノはよく研究を理解しているな。私の期待以上だ」
ジェイがまた地面を蹴ると、タックが嫌がって、その足に向かって「シャー」って怒っちゃった。
「そう言や、イエロービーが機能不全を起こしているようなんだが、検査してやってくれないか」
「・・・機能不全?」
「ああ、どうやら俺を人間と思うことがあるようなんだ」
「イエロービー、あなたもなの? 私もブルーノもそうなのよ。だったらこれで正常なんじゃないかしら。ケイ様はどう思われます?」
ルージュは早口で聞いた。
「じゃ、グリン、ピンキー。君達はどうなんだ?」
「私はキュウ様を人間だと思っています。セカンドロイドは、アンドロイドである要素はほとんどありません」
「私もミュウ様を人間の赤ちゃんだと思っています。“人工生命体”というより“人間”です」
「この認識の異常は、一時的にプログラムを混乱させる恐れがあります」
ブルーノが冷静な口調で言うと、ケイは腕を組んで、左手で顎を引いて考えた。それでルージュに対して、
「自己診断は行ったのか?」
「私はキャッシュをクリアして、エラーシューティングをかけてみたのですが、エル様を人間と認識した場合だけ、エラーが上がるようでした」
「じゃ、ルージュ。君はセカンドロイドのことをどう思うんだ?」
「それはキュウ様やミュウ様は・・・人間???アンドロイド????? あれ? アンドロイドと認識した方がエラーになってしまいます」
「なるほど。じゃ、やっぱり共通の問題のようだぜ、ケイ。このまま使用を続けても問題はないのか?」
ジェイは危機管理の責任者だから、皆の安全が第一。その判断によっては、80(ハチマル)達を機能停止にするだろう。
「そうだな。一度、徹底的に調べた方がいいかも知れない」