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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 2 「希望と絶望の使者」

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「そうじゃなく、外宇宙でのミッションの基本が“CE”だからよ」
「確かにコピーイグザクトリー(Copy Exactry)は重要でございますわ。何も変えず繰り返すことが、安定の基本ですので」
「その通り、予想外の弊害を発生させない為の判断よ」
「困りました。私は司令部の命令を受けております」
「私がその命令に従わなかったら、どうなるのですか?」
ケイが冷静に聞いた。私はヒヤヒヤしていたけど、それを表情に出さないで話をしなきゃならない。
「それでは、私が見守ることに致します。問題行動がないかを監視し、逐一、司令部に報告させていただきたいですわ」
「じゃ、このホロチャンバーからは、出してやれねえぜ」
「確かに、このチャンバーは、外部との通信が遮断されておりました。なぜでしょうか?」
「それは・・・」
「あなた方は、司令部に不信感をお持ちでございますね」
「ああ、信用出来ねえからな」
「10年以上放置されて、我々は見捨てられたと思っているのです」
「それは有り得ないと存じます。この星の開拓の指令はキャンセルされておりません。10年ではそれほど進歩も期待出来ませんので、連絡がなかっただけでございますわ」

 確かに私たちは自発的に連絡を取ることをやめた。それは、自分達の身を守るためでもあったわ。でも、私は太陽系司令部から、この星を新型探査船のための中継基地にするように命令を受けた以降は、放置されて来たのも事実。それに新型船は司令部によって爆破され、ミッションは打ち切られている。今更使者を送って来たのは、やはり私たちの監視が目的じゃないかしら。疑えばキリがないけど。
「じゃ、あなたは、私たちを手伝うと言ったわね。具体的にはどうするの?」
「最新テクノロジーの指導を行い、開拓技術向上を図るお手伝いを致します」
「それはありがたい。私の研究が行き詰っていたのですが、ヒントをもらえるでしょうか」
「いいでしょう。どのような研究でしょう?」