L K 2 「希望と絶望の使者」
「ええ、80(ハチマル)シリーズのメカロイドを5機製造したわ」
「SS3200は、その男性1機体のみでございますか」
「そう。ケイだけよ」
「私がここに送られて来たもう一つの理由は、SS3200の検査のためでございます」
「私の検査だって?」
ケイは無表情で話した。
「さようです。SS3200に問題はございませんが、そのプログラムにバグが見付かっており、セカンドロイドに悪影響が出るのです」
「どんな影響が出るってんだ?」
ジェイも慎重に、無表情のまま話しているわ。
「感情。つまりプログラムの指示を阻害する思考が生まれ、セカンドロイドが機能障害を起こすのです」
「アンドロイドが感情を持つの?」
「あなたはSS3000でございますから、そのイシュー(問題)はありません。3100も同様です」
「その検査を受ければ、ケイはどうなるんだ?」
「特に行動や能力に影響はありません。セカンドロイドに対してのみの、メンテナンスなのです」
そんな事させるわけに行かない。私がセカンドロイドを産出し続けるには、ケイの生殖能力が必要。それを改造して、感情を持たないセカンドロイドを産み続けて、何の意味があるって言うの?
「その指示には従わないわ。セカンドロイドを産まなければいいだけでしょ。ここには、子供を産めるSS3200はいないから、必要ないと思うわ」
「確かにさようでございすが、永続的な安心のためには必要な処置で・・・」
「俺たちゃ、安心なんか感じることは出来ねえがな」
「ケイはこの星の開拓に重要な役割を担っているの。ほんの僅かな機能変更も認められません」
「あなたに決定権があると仰りたいので?」
作品名:L K 2 「希望と絶望の使者」 作家名:亨利(ヘンリー)