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罪は重い。

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「絵衣さん。」

 その日の放課後。

 体育館裏で私を待っていたのは、隣クラスの女子、和井だった。

「来てもらえて、嬉しです♡」

 笑顔で駆け寄って来る和井。

 その眼前に、私は便箋を突き付けた。

「あなた…何を知ってるの?」

「えーとぉ それはぁ…」

 和井が、恥ずかしそうに 目を伏せる。

「デ、デタラメなんですぅ」

「─ え?!」

「ごめんなさいぃ。どうしても絵衣さんと ふたりきりになりたくてぇ…」

 私の両手が、和井の肩に伸びる。

「嘘言わないで!」

「ほ、ホントです!!」

 激しく肩を揺らされた和井は、涙目で訴えた。

 この子は、本当の事を言っているのかも知れない。

 しかし、万が一と言う事がある。

 約定は、墨守されなければいけないのだ。

 掴んでいた肩を、私は強く突き放した。

「痛い」

 尻もちを付いた和井の目前に、呪符を差し出す。

─ 喰っても良いのか? ─

 頭上からの確認に、私は許可を出した。

「…ええ、食べて頂戴」

 背後の空間から染み出してきた <ノモマ> に、和井は飲み込まれていった。。。

作品名:罪は重い。 作家名:紀之介