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不老不死ロリの国 第五部分

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「焼き肉はあまり好きじゃないよん。幼女は煙がキライだよん。」
「ならば肉類の最高峰はどうだ。牛の、サーロインだ。」
「それは大好物だよん。いいよん。」
「じゃあ正確に注文してくれ。」
「わかったよん。サーロイン150グラム一丁だよん。」
「お客さん。注文は正確にしてくれないとシェフが間違えちゃうから。」
昆太はなぜか白い帽子に白いユニフォームに着替えていた。胸にしっかりと『ビストロコンターニュ』と刺繍がしてある。
「正確に商品名を言うってことなの、だよん?」
「左様でございます、お姫さま。」
「お姫さま!その響き、いいなあだよん。そこまで持ち上げてくれるなら、ちょっと面倒だけど、言っちゃおうかな、だよん。」
「ぜひその勢いで、一文字の不足もなきよう、ご注文をお願いいたします。」
「じゃあ、サーロインステッキ150グラム一丁。」
ドタンとひっくり返ったコンターニュ。
「お客様。ステッキというお品はありません。その部分のみで結構ですから、再度ご注文をお願いします。」
「ええぇ?もう面倒だよん。ステッキでいいじゃん。」
「お客様。僭越ながら、『ス』と『ッ』を省略されますと、さらにおいしく召し上がれますけど。」
「そんなバレバレの小手先作戦は通用しないよん。でもそのフレーズを言わせたいなら、サーロインは必須だよん。」
こうして、ステーキをちゃっかり頂いた校長。
昆太もまだ屈してはいない。
「おもてなし作戦は失敗に終わったので、強行突破を図ることにする。俺を憎らしく思えるように持って行けば自ずとこちらに敵意を向けるはずだ。その手段としてはこれだ。」
昆太は萌絵の首を捕まえて、そのまま、三発平手打ちした。
「痛いよん。いきなり何するんだよん!」
「こうすれば攻撃を受けた側はこちらに反撃して、こちらを敵とみなすだろう。それにしても無抵抗な他人をいたぶるのは実に気持ちいいなあ。」
昆太にドSという新たな属性が開花しつつあった。
(お兄ちゃん、もうやめて!体の痛みを受けるのはあたしなんだよ。)
「箱子?痛いのは箱子なのか?」
「そういうことだよん。そんなことしても無駄だよん。痛いのは本体なんだから。」
「いやそんなブラフには乗らないぞ。肉体を共有していなければ、体を自由に動かせないだろう。つまり痛覚も共有しているはずだ。」
「さすがだよん。でもオニイチャンに勝利の風は吹いてないよん。」
「ドMモード支配!」
萌絵が声を出すと、顔が赤くなりその筋肉が弛緩した。
(お兄ちゃん、もっとして、もっとぶって、はたいて~!)
「ねだっているのは校長じゃなくて、箱子か?やられた。」
「へへん。萌絵は百戦錬磨だよん。ダテに十年の人生を歩んでないよん。」
「なんか強烈な虚偽感に溢れてるんだけど。」
「そんなことないもん。萌絵は永遠の『重歳』だよん。」
「さらにワケがわからない年齢なんだけど。とにかくこの作戦も失敗したので、次の手だ。これだけはやりたくなかったんだけど、仕方ない。吝奈と木憂華。こっちに来てくれ。」
「はいですの。」「わかったじゃん。」
「ふたりきれいに並んだな。では両手を上にあげて、伸ばす。」
「なんですの?」「なんなんだじゃん。」
不審な表情の吝奈たちは、昆太の言葉に従った。
「よし。では、鷲掴みと。ポヨン、ぴょん。」
「「きゃあああ~!ドH!」」
昆太は白昼堂々とふたりの巨乳と貧乳を蹂躙したのであった。揉み音の前者は吝奈、後者は木憂華である。
「これぞ、同時多発エロ、セクハラだ!」
昆太はセクハラの手を緩めない。被害者のふたりもなぜか、その場に立ち尽くしている。顔を真っ赤に染めて腰をひねっている。おそらく苦しんでるのであろう?
「こ、こんな激しい公然セクハラ、みたことないよん。すぐにやめるよん。・・・。も、もえもし、して、ほしいとか、ぜったいにいわないんだからねっ。」
校長はツンデレモードにシフトした。
「へへん。やってほしいのか、ほしいのんか。でもやってやらないぞ。ガハハハ。」
吝奈たちを攻撃しながらもその手を萌絵の方に方向転換する素振りをみせない昆太。
「も、もえにもしてほしい!」
ついにガマンの防波堤が決壊した萌絵。
しかし昆太はダブルセクハラ状態をキープして、萌絵には全く手を出さない。
「校長なんかにセクハラするものか!」
一言で萌絵を突き放す昆太。
(ふたりにセクハラしといてあたしにしないとか、ひとりのけ者にされるのは、寂しいよ、お兄ちゃん。)
「箱子なのか?」
(そうだよ。今は校長と一心同体なんだから。あたし、昔から友達がいなくて、やっと仲良くっていうか、話ができるようになったのがこのふたりなんだよ。)
「そのあとは、もえが続けるよん。もえは重歳のうら若い美幼女。でもその短い生涯は天涯孤独だったんだよん。今、こうして、一心同体の仲間ができた。初めて人に頼ることで、自分がひとりじゃないと実感できたんだよん。今ふたりが楽しんでる、いや嫌がってるセクハラも一緒に受けたいんだよん。オニイチャン、どうか、もえをひとりにしないでよん。」
「うん、ダメ。」
「ガーン!オニイチャンは乙女の『敵』!あっ、言ってしまったよん。」
「こちらの罠に見事にハマってくれたな。ゲームオーバーならぬ、ゲーム開始だ。吝奈、木憂華。自慢の道具を試してみるか。」
「わかりましたわ。」「わかったじゃん。」
牙が振られ、注射器から液体が発射され、萌絵の体に当たった。
『グサッ、ジュワ~。』
肩肉が裂かれ、さらに薬物で焼きただれるような音がした。
「これは痛いよん!まさに魔力のパワーだよん。どうしてこんな力が出せたよん?」
「セクハラパワーだ。吝奈たちが喜んで、じゃなく嫌な行為に耐えてくれたおかげだ。」
吝奈、木憂華は真っ赤になって、クビをタテ、ヨコに振った。同意・不同意を同時に示す仕草に見える。
「セクハラパワーだと?すごくイヤで法律違反な響きの力だよん。もえもしてほしかった、もとい受けなくてよかったよん。魔力が使えるなら、こちらも遠慮はいらないよん。全力で戦うよん。でもそちらのふたりはこの箱子の体を痛めつけるなんて、友達裏切りなことができるはずがないよん?グワッ!」
牙の剣が箱子の腹を襲った。
「約束が違うよん。箱子の体を平気で傷つける友達がどこにいるよん。」
「そんなひどい友達なんているわけありませんわ。パキッと。」
「そんな非道な女子高生がいるわけないじゃん。輩を傷つけるなんて、Qたちの辞書にはぜったいに載ってないじゃん。プチュ。」
(吝奈ちゃん、キューリー夫人博士、言動を一致させてよ。あきらかにアタックフェイズが継続中だよ。あたし、泣いちゃうよ!)
「こんな友達甲斐のない連中だったとは知らなかったよん。ならばこっちも本気で応じるしかないよん。その前に魔力供給っと。」
萌絵は昆太をハグして、ナタをデカくして両手で構えた。
「これで対等ですわね。」
「久しぶりに命をかけてみるじゃん。キエエエ!」
三人の大きな掛け声で、バトルが開始された。