オヤジ達の白球 36~40話
オヤジ達の白球(39)四球の山
「球審。すまねぇ作戦会議だ。タイムにしてくれ」
これ以上は時間の無駄だと寅吉がたちあがる。
寅吉が、マウンド上で金縛りになっている坂上へ駆け寄っていく。
「なに固まっているんだ、お前さんは!」
「俺も投げたいのはやまやまだ。だがよ、どうにも急に身体が
動かなくなった。
あちこちギクシャクしてきて投球動作に入れなくなった」
「投球動作に入れねぇ?。なんでだ。
さっきまでずいぶん元気のいい球を、投げていたじゃねぇか?」
「投げるときはかならず、両足をプレートの上に置けと
審判部長に注意された。
それが投球のルールだそうだ。
俺はよ、いままでそんな風にして投げたことがないんだ。
左足を後方に引いて半身に構える。それが投球前の俺のスタイルなんだ」
「そいつを修正した途端、身体が動かくなったというのか・・・」
作品名:オヤジ達の白球 36~40話 作家名:落合順平