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不老不死ロリの国 第四部分

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「これは狭いよ。中は真っ暗だよ。お兄ちゃん、電気点けてよ。」
テレビの中に声は反響するが、外にはくぐもった音で、昆太たちには何を言ってるのかわからなかった。
「よ~し。チョーダサい子が見事に引っかかってくれたしぃ。スイッチオンだしぃ。」
「うぎゃあ~!腰のナタが光って痛いよ!」
箱子の悲鳴がテレビ内にこだました。
箱子は感電し、テレビから黒い煙が漂ってきた。テレビは電子レンジだった。ナタで感電し箱子は死んでしまった。
気絶した木憂華の鼻をつまんで無理矢理に起こし、死んだ箱子を置き去りにして、ダサコ一行は、お化け屋敷の奥に進んでいく。木憂華は再び昆太の背中にしがみついている。ちなみにダサコに足はなく宙に浮いているので、『悪魔の証明』ならぬ、『幽霊』の証明はなされている。
提灯お化けとか、ろくろく首とか、ホンモノなのか、蝋人形なのか、はたまたフィギュアなのか、わからないものが驚かしてくる中、それをテキトーにあしらいつつ、屋敷内を歩いてから、とある木の柱でできたオブジェの前でダサコは立ち止まった。
「ダサいアナログ器械なんだけど、ここに頭を置いたらいいしぃ。今ならAI注入機無料お試し期間中だしぃ。」
「タダより安いモノはないでちゅわ。」
またも無料という殺し文句に魅せられたら頭を乗せた吝奈。『ガシャーン』という耳に痛い音がした直後に、ゴロリと何かが転がった。
「あれ?どうしてかちら。世界がぐるぐる回ってまちゅわ。」
「こ、こわいぢゃん、コワすぎるぢゃん!ギロチンによる無実無罪な吝奈の処刑はあんまりぢゃん。ダサコの呪い、幽霊の風上にも置けないぢゃん!しゃー。恥ずかしい。ぷちゅ。ばたん。」
幽霊の風上という意味不明なフレーズはおいといて、セリフ内の後半擬態語は、あまりのこわさに自分で泣いて、失禁して、恥辱に耐えきれず、毒を注射して死んだ木憂華を表現したものである。
「また死んじゃったしぃ。死に方、ダサいしぃ。これで仕事終わったので、井戸に帰るしぃ。」
ダサコはひとり残された昆太の前から姿を消した。
昆太は木憂華の死体を見て、クンクンとニオイを嗅いでいる。悪趣味にもほどがある。

昆太がお化け屋敷の出口に来ると、市長が待っていた。いちばん最初に失神していたが、その後先回りしてゴールに来たらしい。
「オニイチャン、無事だったんだねだよん。よかったよん。もえ、寂しかったんだよん。だからハグ一気、一喜、五木ひろしだよん!」
萌絵はジャンピングダッシュを試みたが、やはりちんちくりんであって、昆太に到達できず、重力のなすがままに落下した。
「オニイチャン、冷たいよん。でもその表情なら殺し方はわかったようだなだよん?」
「さあどうかな。たしかに、熱、電気、毒とか、こうしてみんな戻ってきてるし。」
「まだ市長が死んでないので、死んでくれ。」
「イタいの、やだよん。」
 首を折れんばかりに振って拒否る市長。
「でも痛くないやり方なんていくらでもあるのでは。木憂華に頼めば安楽死なんて楽勝だろう。」
「そんなこと言われても拒否るよん。」
「それはここにいる自分と入れ替わるのがイヤなんだろう。」
「見抜いていたのかだよん。」
「もう答えは出てるよな。そこの三人幼女はすでに違う人物だろう。制服がキレイなのは汚れたり破れたりしているのを修復、クリーニングしたものではないだろう。さっき失禁した木憂華にニオイが残ってなかったし。不老不死とは同じ人間の命が続くことであって、それとは明らかに違うという感じがするぞ。」
「すごいよん。なんとなく殺しを見せたつもりだったけど、きっちり分析してたんだねだよん。こういうのはすごくおいしいよん。岩にしみいるセミヌードしちゃうよん。」
興奮した萌絵は、スカートをたくしあげて、お腹から下のあられなき、しかしケガレはあるかも知れない部分をオープンにした。ふんわりしたイチゴ柄の幼女パンツがまぶしい。
「ぐっ。これはロリポイントヒットか?」
いきなりの幼女パンツに、一瞬心を動かされそうになった昆太だが、すぐに冷静さを取り戻した。ややツンデレ含みで顔を強ばらせながらも、気丈に萌絵を見ている。
「オニイチャンがこのパンツに触れれば、オニイチャンが魔力供給源になって、次元移動魔法を使えるよん。」
「な、なんだと!?それはおいしいような、しかし、めっちゃキケンなニオイがするぞ。クンクン。」
「オニイチャン、あんまりあせっちゃダメだよ。あはん。」
昆太はあまりに露骨に鼻をパンツにくっつけてニオイを嗅いでいた。常識的には変質者カテゴリーど真ん中である。
「こんな体験初めてだ。すごく新鮮組だ!」
初めてでなかったとしたら、新撰組に逮捕されて、最低でも前科一犯である。
昆太は鼻攻撃を継続していた。
「いやん。恥ずかしいよん。やめて~、ほしくないよん。」
「ええのんか、ええのんか、芸者さん?いやよ、いやよも杉之内さん。」
『杉之内さん』という名字の人にボコボコにされること確実である。
「よし、下地はできたので、いよいよ、コアラに触れるけど、いいかな、まなかな。」
「今日はコアラパンツじゃないよん。やっぱりタッチはアウトだよん!パンツに触っても魔力は発動しないよん。」
「なんだと。こうなったら、魔力なんてどうでもいい。幼女パンツがすべてだ!」
短いスカートの中でパンツにむしゃぶりつこうとする昆太。加えて、『クンクン』と犬モードを使用している。
「いや~!わかった、わかったよん。次元移動魔法を使ってあげるから、パンツから離れてよん。」
「やっとその言葉に会えたな。ち~ん。」
鼻を思いっきりかんだ昆太。
「なにそれ。そんなことしたら、せっかく、オニイチャンの鼻腔に充満した、もえのかぐわしいパンツの香りが消えてしまうよん?」
「そんなモノ、初めからボクの対象外だ。萌えない幼女パンツなぞ、燃えないゴミだ。」
「ひっどい~。オニイチャン、もえを騙したのかよん?」
「そっちこそ、ウソを教えたんだからおあいこだよ。フィフティ、フィフティだ。」
「オニイチャン、意外に喰えないヤツだよん。その方が面白いけどだよん。魔湧水が必要なのは本当だよん。もえはオニイチャンがほしいんだよん。」
「ボクがほしい?今度はバトルでもしたいという意味か?」
昆太は両手を前に出してファイティングポーズの構えになった。萌絵は昆太の前に直立不動になり、背中を曲げて頭部を大きく下げた。
「オニイチャン、ずっと前から好きでした。萌絵とお付き合いしてくださいだよん。」
萌絵がいきなりコクってきた。
あまりの唐突さに、昆太が思わず返した回答。
「ゴ、ゴメンナサイ。」
「ガ~ン!」
ソッコーで拒否られた萌絵は喚きだした。
「オニイチャンにフラレたよん。もう生きていても仕方ないよん。殺せ。もえを殺すんだよん。」
「そういうことか、わかったぞ。魔力を発動する方法が。ならば願いを叶えてやる。幼女を殺すのはカンタンだからな。」
「さすがオニイチャンだよん。じゃあ、やってみてよん。」
昆太は三人幼女が死んだことを参考にして、鉄球、毒注射、電子レンジなどを萌絵に適用してみたが、萌絵の防御力は強力でまったく効果がない。