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夏とテストと天才と【青空学園project-第参弾-】

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反射的に殴り掛かる
それを軽く避けられて
その時に見えたらしい俺の泣き腫らした顔に少しの困惑

「泣いてる…のか?」

嗚呼こいつはほんと何処までも空気が読めないんだな
どうして どうしてこんなやつが好きなんだ

何も返事をしないで泣きつづけた
後ろから抱きすくめられる
薄手の夏服2枚分しかない距離
リアルに感じる体温

自分より強い力で抱きすくめられて嬉しい俺はやっぱり可笑しいのか

「変なとこ見せて…ごめん」

俺が謝ってほしいのはそんなとこじゃない

顔を上げて

―きっとすごいことになっているんだろう

やつの顔を正面から見つめる

博人の後ろには少し明るさを残した暗い空

「俺がそれだけの為にこんなに泣いてると思ってるのか?」

驚いた"表情"
あぁその仮面が嫌い
大嫌い
博人も俺もみんなが持っているその仮面
仮面が邪魔する

解ってたくせに

はじめから

俺も お前も

わざとあんなことして

見せ付けて

こんなに心から叫んでる

叫んでいる

「気がついていないとでも思ってるわけじゃないだろ?」


早く。早く壊して。


見据えていた顔の口の端が上がる

「あぁもちろん解っていたよ
そして亨が一番欲しいものも
ついでに亨が気がついてないことも」

気がついていないこと?

「どうして俺がこんな中堅高校に入ったと思う?
大学の最先端の技術を使いたい放題なのにどうして科学部なんかに?」

それだけ立て続けに言って
少し体を離して正面を覗いて

「やっと確証が持てたよ
俺、負けることはしないから
あまりに尻尾だしてくんないから今日みたいな強行手段に出たんだからな」