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夏とテストと天才と【青空学園project-第参弾-】

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呆然と立ち尽くす

そのとき博人と目が合って弾かれたようにその場から走って逃げた

今までかつて出したことのないような全速力

いつもの半分の時間で化学室までたどり着く

息を切らしながら後ろ手で扉を閉めて

フラフラと扉から一番遠い机にたどり着く

少し経って息も戻ってきたときに
突然涙が溢れてきた

自分でも理解出来ない
どうしてこんなに泣いてるのかわからない

嗚咽を隠すことをする余裕もないくらい
まるで幼児のように泣きじゃくった

どうして俺はこんなに泣いている?

どうして

どうして

どうして…

認めたくない想いが頭を過ぎる

皆が気がつかなかった博人本性に自分が気がついたのは何故か

明らかに16時から部活だということは可笑しいと解っているのに学校に来たの
は何故か

…自分がこんなにもショックを受けているのは…何故か


そのとき教室に博人が入ってきた

涙はまだ果ててくれない

真っ直ぐ淀みなくこっちまで歩いてきて
「新井」
伏せている俺の耳元で低く名前を呼ぶ