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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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巡り合う街の不確定未来 探偵奇談16

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「ごめんな。また今度」

少し気遣うような声を背に、瑞は扉を閉める。こういうとき、先輩後輩であることが恨めしい。伊吹には伊吹の人間関係があるのはわかっている。その全部に自分がいたいなんて幼稚な独占欲なのだということも。
 
(先輩にも、部活や俺らから離れる時間も必要なんだろうなあ)

伊吹はこの頃少しナーバスになっているようだった。それは自身の進路への悩みであるとか、弓道部の行く末であるとか、そういったありふれた雑多な悩みが頭をもたげているのだろうと瑞は思う。部活や進路から離れて、何も考えず音楽を聴いたりギターをかき鳴らしたりすることが、あの先輩にも必要なのだろう。三年生の卒業式を控えたこのわずかな隙間時間にのみ生ずる、落とし穴のような不安の中にいるのかもしれない。

教室に戻ると、昼食で腹を膨らませたクラスメイト達がおのおのぐーたらと過ごしている。一之瀬郁(いちのせいく)が机に向かっていた。雑誌を広げて読んでいる。

「一之瀬、週末の完全休養日とかって何するの?」

郁の前の席に腰を下ろして尋ねてみる。

「え、どうしたの?突然」
「みーんな予定入れてるんだもん。何してるのかなって気になってさ」

聞けば、郁は仲良しの友だちとショッピングだという。

「みんな俺のことなんて構ってくんないんだもんなー」
「須丸くんは何するの?」
「予定なし」
「友だち誘って、どっか遊びにいったら?」

そういう気分でもないのだ。

「なんかつまんないなあ」
「じゃあ、家でゆっくりするとか。須丸くん病み上がりだし」
「もう元気になったよ」