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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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金曜日のアウトドア 中編

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 その頃トミーは、カールともヨシュアとも違う方向に進んでいた。
(最後まで逃げ切るのは僕だ!)
 と意気込み、低木の陰でしゃがんだ。しかしそのとき、彼は何か嫌な予感がした。
(さっきから気になってたんだけど、この森、何となく不吉なんだよね…)

 一方、ヨハンは隠れているプレーヤーを探すのに張り切っていた。
「みんなどこだ〜〜」
 彼は暑い中、走って真っすぐ進んだ。すると、50メートルほど前方で草の揺れる音が聞こえた。彼がそこに歩いて向かうと、そこには誰もいなかった。
「何だ、風かよ。よ〜し、今度こそ」

 5分後。トミーの視界に、きょろきょろしているヨハンの姿が映った。
「あ、ヨハンが来た。逃げよっ」
 小声で言うと、駆け足で真っすぐ移動した。運悪くも、その足音がヨハンにばれてしまい、
「あ、トミー居た〜!」
 と言われた。彼は立ち止まって振り向き、残念そうにため息をついた。
「あ〜あ、見つかっちゃった」
「ふふん。2人で残りのやつら見つけるぞ」
 こうして、追っ手は2人に増えた。

 ヨハンとトミーがほかのプレーヤーを探していると、トミーは足元にいくつか散らばっている、何か小さなものを見つけた。
「ん、何か落ちてる」
 一つ拾ってみると、それは微妙に固く、赤っぽい。ヨハンも言った。
「何だろな。俺にも分かんね」