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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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金曜日のアウトドア 中編

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 ヴォルフスヴァルトの中でかくれんぼをしている、いい年こいてる6兄弟。しかし、1人に悲劇が起こった…。

 ときを若干遡る。ヨシュアは森の一地帯に、ほぼ等間隔で並ぶ、自分の背丈より僅かに高い石柱群を見つけた。
「何これ。何かお墓みたいだ」
 そう言いながらも、彼はその間を通った。
「いや待て。ここ、もしかするといい隠れ場かも」
 大きめの声で独り言を漏らすと、石柱の1本にピッタリとくっ付いて、周りをうかがった。

 5分たったが、誰も通る気配がない。もしかすると、ヨハン自身が迷子になったのかもしれない。ヨシュアはそう感じ、少し心配になった。そのときである。彼の100メートルほど後ろから、木を伐採する機械のような音が聞こえた。彼は音のしたほうを見たが、そこには何もいない。
「動物の鳴き声かな」
 そう言ったあと、自分が寄り掛かっていた石柱を何気なく見ると、何とそこには赤い文字で【ヨシュア】と書かれていた。彼はゾッとした。
(ええっ、ヨシュアって俺のことかよ…縁起でもないなあ)
 心の中でつぶやいて隣の石柱まで行くと、さっき聞こえた嫌な音がさっきよりも大きく聞こえてきた。
(さっきの音だ…つーか、こっちに来てる…?)

 ふと横を見ると、狼マスクをかぶった1人の人間がいた。
「ププーッ、狼のやつかぶってる〜。あ、いや、ごめんなさい」
 するとその人は、こすり出すような声で
「キ、キ、ユ、ユ」
 と意味不明なことを言うと、彼の後ろに回り、彼の脇腹にチェーンソーの刃を当てた。
(!?)
 狼マスクは、そこでスイッチをオンにした! ― ヨシュアの悲鳴がこだました ―