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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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金曜日のアウトドア 中編

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 同じ頃、クリストファーはカールが向かったところとほぼ同じ方角へ向かった。ある一角で、自分の膝ほどの高さの草の上に、ナナフシを見つけた。
「お、こりゃ珍しい。ナナフシだ」
 彼はポケットからデジカメを取り出すと、そのナナフシの写真を数枚撮った。

 そのあと、彼は木の根っこに腰掛け、左の二の腕に巻いていたタオルを右手だけで器用にほどき、顔にかいた汗を拭った。
「ふ〜、あちぃ。でもやっぱし、木陰は幾分涼しいや」
 しばらくすると、60メートルほど先に誰かが歩いているのが見えた。
「やべぇ、ヨハンかな」
 クリストファーは、自分の座っていたところの反対側に隠れ、その人の様子をうかがっていると、さっきよりもその外見がはっきり見えた。その人は、頭と顔がすっぽり隠れる狼のマスクをかぶっている。
(何だ、ヨハンじゃなかった。ってかこの人、何で狼のマスクなんかかぶってんの?)
 しかしその直後、彼はこんなことを思った。
(いや、この人もしかしたら、名前は忘れたけど、日本のロックバンドの人かもしれないな)
 そして思い切って、その人の近くに来た。
 「あの、失礼ですが日本のロックバンドの人ですか」
 クリストファーがストレートな質問を投げかけると、その人は無言で首を横に振った。
「あ、違った。失礼しました」
 彼がそう言うと、狼マスクは、彼に後ろを向くようにとジェスチャーで示した。
「え?後ろを向けと?」
 彼は相手の不思議なアクションに困惑した。狼マスクは、再び「後ろを向け」とジェスチャーで促した。クリストファーは催促にこたえるかのように、後ろを向いた。

 すると、そいつはクリストファーの背中にチェーンソーを当てるや、そのスイッチをオンにした!被害者は、叫ぶ間もなく息絶えた。