オヤジ達の白球 21~25話
やっぱり不倫していたんだあの人妻は、と陽子が言葉を締めくくる。
「堅物で通っている柊が、おまえの知っている主婦と不倫しているのか?。
俺はそんな風には思えないが・・・」
「何言ってんのさ。よく言うよ。
論より証拠、あんたもその眼でしっかりみただろう。
2人がここでこっそり会って、最後は仲良く身体を寄せて、出ていくところを。
堅物だろうがエッチはするさ。
女から誘惑されればほとんどの男は落ちる。
ましてあの主婦は若いし、誰が見てもあの美貌だ。
ほとんどの男が、コロコロ落ちるさ」
「主婦の方から誘惑したのか?。
柊の奴。俺の方から電話して、呼びだしたと言っていたぜ」
「そうだろうね。忘れられないんだろうさ、女房以外の女の味が。
不倫は現代の文化だなんて開き直っていた、どこかの芸能人が居たもの。
なにが現代の文化だ。
これが江戸時代なら死罪にあたる、不義密通の大罪だ」
「よく言うぜ。
そういうお前さんだって長年にわたり、総長の愛人として生きてきたくせに。
そんな人間がさらりと言うようなことでは無いと思うけどな」
「それはそれ。これはこれ!。うっふふ・・・・
姦淫が重罪だった江戸時代でも、地位と金のある男たちには
抜け道があったのさ。
封建時代でも重婚は禁止だ。妻は1人だけ。
でもね。金の力で、側室や妾を置くことは許されていた。
そのくせ男女の道を外れた庶民の性交に関しては、厳しい姦通罪が
適用されていたんだ。
モラルとしては江戸時代の方が、はるかに上だったと私は思う」4
作品名:オヤジ達の白球 21~25話 作家名:落合順平