オヤジ達の白球 21~25話
オヤジ達の白球(23)もと文学少女
湿布薬を貼り終えた祐介が、「さっきの話だが」と
陽子の顔を見上げる。
「さっきの話?。ああ、男と出て行ったあの主婦のことかい。
旦那は普通のサラリーマン。子どもはいない。
旦那さんは真面目な人だけど、どういう仕事なのか、とにかく出張がおおい。
ながいときは、2週間も留守になる」
それが不倫に走った原因なのかなぁ、と陽子が声をひそめる。
「そういえば最近、奥さんの生活パタンも、変って来たような気がする。
着飾って外出する機会がおおくなったし、夜の遅い時間でも、
人目を忍ぶような雰囲気で、こそこそ出かけることがある。
変だとは思っていたんだ。
だけど今夜、そこでばったりと出くわして、すべての事態を了解した」
作品名:オヤジ達の白球 21~25話 作家名:落合順平