オヤジ達の白球 21~25話
オヤジ達の白球(25)不義密通
「男女の不倫も、江戸時代じゃ不義密通か。
なんだか、いかにも犯罪という雰囲気が、ムンムンしているなぁ」
「あたりまえよ。
今も昔も不倫は、道に外れた男と女の関係だ。立派な犯罪さ。
でもね。この不義密通を奉行所へ訴え出ると、家の恥を世間に
さらすことになる。
士農工商の頂点にたつ武家の場合、とくに不具合がおおい。
『家内不取締り』を理由に、減俸されるなど、上から厳しい処分が出てくる。
商家の場合もやっぱり同じ。世間体が悪くなることで、
店の評判が落ちてくる。
藩への出入りが差し止めになれば、商売上に大きな支障が出てくる。
公にすることで被害者も、大きなリスクを背負う。
このようないろんな弊害を考慮して、金で解決しょうという妙案がうまれた。
それが「内済金」。
金で解決したケースが江戸時代、けっこう多かったといわれている」
作品名:オヤジ達の白球 21~25話 作家名:落合順平