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不老不死ロリの国 第三部分

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三人幼女の二強一弱の胸社会。しかし、わら人形・害は木憂華にも劣るチンチクリンであった。これは本体もわら人形も同一事象であった。
『もう、キレたぞ。こうしてくれる!』
笑い転げていた三人幼女の動きが急に停止した。
「「「うっ、うっ、うっ。そこだけはゼッタイだめ!あ・は・ん。」」」
三人幼女はそれまでとは全く違い、顔が著しく赤くなった。なぜか、声が途切れて腰だけが奇妙に左右に動いている。
「こ、これは、もしや。」
バトルには不参加の傍観者であった昆太が、固唾を飲んで見守っている。開いた口に液体が溜まってきた。
『こ、これはオレが幼女としてマズいことをしたのかも。攻撃中止!』
わら人形・害もさすがにヤバ過ぎる空気を読んだ。
「ふうう。キモチイイじゃなく、恐ろしい攻撃がやっと終わったぢゃん。今までイジメてくれたことの借金返済ぢゃん。」
『強がってもそんな態勢じゃ、元金返済どころか、利息も払えないぜ。』
「でも何もしないじゃ、その利息も増えていくだけぢゃん。だからやれることはやってみるぢゃん。せめて、一太刀でも入れるぢゃん。パコ、昆太に脂汗をかかせるぢゃん。」
木憂華は、わら人形・害の足元を見つめている。
「そんな。お兄ちゃんの前でセクシーポーズをやれっていうなら無理だよ。」
「汗かかせるにはそんなもの要らないぢゃん。危機的状況に追い込めばいいぢゃん。」
「わかったよ。こうすればいいんだね。」
 昆太の足元に移動して、下から見上げる箱子。
「ロリの上目使い。これは萌える!」
 昆太から体液が流れてきた。即座に効果があったかに見えた。
「温泉じゃあるまいし、涎かけ流しを狙ってなんかないぢゃん。」
「それはわかってるよ。お兄ちゃんに脂汗って言ったら、こうだよね。」
 箱子は昆太のブーメランブルマを引っ張った。
「ちょっと待ってよ。これがなくなったら、どれだけカオスになるかわかってるのか?」
「だからやってるんじゃない。今のあたしには、矢でも鉄砲でもコゾウさんでもなんにもこわくないんだから。」
「コゾウだけはダメだ!」
 相撲の差し手争いのように、必死に取り合う昆太と箱子。次第に昆太から脂汗が流れてきた。
「今だ。パコ、吝奈。同時にわら人形の足を攻撃するぢゃん!」
「「せーのっ!!」」 
 わら人形・害の二本の足は不意をつかれて、脂汗で滑りやすくなっていた床の上に転倒した。
「やった。一泡吹かせてやったぢゃん。」
『こんなことで勝ったつもりなのか。またオレをバカにするモードが復活したようだな。もう許さんぞ。』
わら人形・害はまだ倒れたままである。
「よし。あんちゃんから溢れ出した汗を集めるぢゃん。」
木憂華は注射器を構えるが、手が動かない。
「キューリー夫人博士。どうしたの?注射器を使わないの?」
「うっ。脂汗がクサくて、ゲロ吐きそうぢゃん。」
「ボクはそんなにクサいんだ?ああ、幼女に嫌われる。トホホ。」
「そんなことありませんわ、お兄様。クンクン、あ~あ、なんてクサいんでちょう。」
「わ~ん。やっぱりスゴい悪臭なんだ!」
「クサい、超クサい、めっちゃクサいでちゅわ~。」
「うわあああ~。」
両手を頭に当てて左右に振るという自己否定ポーズ展開中の昆太。
「これでよいのでぢゅね。」
吝奈は木憂華から受け取った注射器で昆太の脂汗で満たした。
「これで準備万端ぢゃん。次の工程に移るぢゃん。」
吝奈は、倒れていたわら人形・害に注射した。
『栄養剤でも注入したのか?たしかにスゴくクサいぞ。』
「また幼女にクサい呼ばわりされた。うえ~ん。ズズズ。」 
昆太の落涙は、重い空気を伴って継続を余儀なくされた。
昆太の傍らで、起き上がったわら人形・害。
『このクサさ。毒を注入しやがったな。でもその作戦は日の目を見ないぞ。このわらの体は生き物ではないからな。ムダな努力賞を授与してやるぞ。ワハハハ。』
「勝負あったぢゃん。パチパチパチパチ。」
『なんだ?敗北を自画自賛するのか。ずいぶんとポジティブ思考だな。』
「パチパチパチパチ。」
『まだ続けるのか。拍手は敗者が勝者に贈るものではあるけどな。あちっ!』
「パチパチ言ってるのは、ガイちゃんの足元だよ。」
『なんだと?』
「さっき倒れたところに照明コードが落ちて、汗にぬれてショートしたぢゃん。それがパチパチで火がついたぢゃん。さらにさっき注入したクサい脂汗で、わらが引火しやすくなってるぢゃん。」
「またクサいと言われた。ず~ん。」
昆太は完全に闇落ちした。
一方、わら人形・害は火のくすぶってきた体を振って消そうとするが、追いつかず、火が回り始めていた。
『わ~。燃える~!せっかく魔法が使えるようになったのに~!』
わら人形・害の火を消す箱子。
「友達だもん。もう迷惑かけちゃダメでちゅよ。」
『またバカにした!もうこうなったら最終兵器だよ。おばあちゃん~!』
わら人形・害の、おばあちゃんという言葉に対する返事がない。
1分経過して、どこからか声が聞こえてきた。
「おばあちゃんっていう人種っておいしいのかな~だよん?」
廊下の奥から、新たに幼女が出てきた。黄色の帽子で顔が隠されているが、どこかで見かけた風情がある。
『あっ、おばあちゃん!』
おばあちゃん幼女は、顔を斜めにして害を見るが、スルーした害。
「だから、違うって言ってるんだよん!もう一度呼んでごらんだよん。」
『じゃあ、おばねえちゃん。』
「もうちょい違うだよん。ばという文字はあきらかに不要だよん。さあさあ、よくアタマをひねって。」
『じゃあ、今度は、おねえちゃん?』
「惜しい。けど違うだよん。」
『もしかして、おばあちゃんの死亡校は妹扱い?』
「またおばあちゃんにゾンビしてる!それを言うなら志望校だよん。もう仕方ないなあ。萌絵は永遠の妹だよん!」
永遠の妹を名乗る幼女が姿を見せた。白い体操着に赤いブルマ。そこそこの胸には、『もえ』という手書きゼッケン。朝田教師に似ているが、ほんのわずかにふくよかな感じである。黄色い髪をバカ殿のように一本ツンツン髪にしている。
『おばあちゃん。デブ症もいい加減にしてくれよ。』
「それは出不精だよん。周りにオデブと勘違いされるだよん。」
『でもおばあちゃんのお腹、最近ちょっと』
「それ以上はタブーだよん、通告禁止だよん!」
「なんだ、なんだ。ポッチャリ幼女が新登場か?それはそれで要チェックだな。」
「オニイチャン、ホンモノ妹だよん!」
赤いブルマをなまめかしく左右に振りながら、昆太に抱きつく。
「来るモノ、来る幼女は拒まず。ボクも会いたかったよ。抱きっ!・・・。おかしいなあ。れっきとした幼女なのに、萌えないぞ?」
幼女センサーが反応しない昆太はさかんに首をひねっている。
「「「このデブュ夫人、本当に妹?怪しい。」」」
三人幼女は構えて、警戒モードへ移行した。
「ぜったい妹だよん。このもえ、というのが証拠だよん。」
体操着を引っ張って、ホンモノアピールするが、ホンモノを強調すると、信憑性は反比例するのが通例。
『おばあちゃん、じゃなかった、おイモちゃん、こいつらヒドいんだよ!』
止まりかかった空気を動かしたのは害。
「わかったよん。もえはぁ、話をしてみるよん。」