不老不死ロリの国 第三部分
「万歳者って何だ?オレはまだ捕まってないからバンザイしてないぞ。」
「いや、微妙に間違ったです。貴様は犯罪者です!だからタイホしてソッコー私刑です!」
「私刑?リンチ?法規による裁きではないようだが。」
「魔法使いじゃあるまいし、ホウキなんか使いませんです!」
ミニスカポリスの反論をスルーして、昆太は三人幼女の方に振り向いて宣言した。
「このミニスカポリス、改めミニスカロリス、いろいろおいしそうなので、タイホされることを提案する。」
「お兄ちゃん。新しい友達ができて喜んでいるんだね?よかった。」
「箱子さん。それは少々、じゃなくかなり違ってると思いまちゅわ。」
「そうぢゃん。あんちゃんの顔にヒントが書かれてあるぢゃん。」
お約束に従い、昆太の顔には『ミニスカロリス大好き』と手書き表示されていた。
三人幼女には民主主義が共通認識されており、多数決でタイホされないことが即座に決定された。
議論が尽くされれば次に来るのは戦争、すなわちバトルということも民主主義の常道である。
「タイホしちゃうぞです、タイホしちゃうぞです。」
ミニスカロリスは虚勢を張っているが、ブルブルと震えている。
それもそのはず。三人幼女は昆太という魔湧水から魔力を得て、すでに破壊力十分な武器を手にしていた。三人幼女は昆太を使えば魔力が手に入ることを学習していた。幼児は物覚えが早いのである。
バトル人数ならびに質的面において、見るからに劣るミニスカロリスは、『えいっ、です!』と一言発した直後にあっさりと制圧され、ロープで縛られた。
「け、警察をナメるですか。許さないです!」
言葉だけは強気なミニスカロリスだが、抵抗できるような状況ではない。
『これは絶好のロリ王力発揮のチャンス!』
昆太がそう考えるのは必然。
「こいつの処分はボクに任せろ!ひひひ。」
「お兄ちゃん。なんだか様子がおかしいよ。また鼻の下が伸びてるよ。」
「ふふふ。生意気なミニスカロリスはお仕置きをしないとな。じっくりゆっくりたっぷりと可愛がってやるぜ。」
「ちょっとお兄様。その顔は完全に悪でちゅわ。それこそ万歳者の表情でちゅわ。万歳って、ロリ万歳って意味だったんでちゅわ。コワいでちゅわ!」
震える吝奈を無視して、昆太はエロを求めて、ミニスカロリスの太ももを目指して、ロリ凌辱目線における進撃の巨人と化した。
「これだ、これこそ、ロリのハイソ。レアモノだよ。ぎひひり。たらり。」
ロリハイソに著しく興奮した昆太は、無遠慮にも涎をミニスカロリスの太ももに垂らしてしまった。
「キャー!超気持ちワルいです~!」
絶叫したミニスカロリスはバタンと倒れて絶命した。
「やった。ミニスカロリスを倒したぞ!俺がみんなを守ったんだ!」
右手を天に突き上げて、勝利宣言をし、ボーナス増額を狙う、友達いなそうな営業マンのように、ことさらに実績アピールする昆太。
「あ~あ。かわいそうに。ロリ王の魔の手にひっかかったぢゃん。」
呆れ顔の三人幼女を代表して木憂華が落胆の辞を述べた。
『パン!』
拳銃を発砲した音が聞こえて、箱子が倒れた。額を打ち抜かれて、血を流している。「箱子さん!いったいどうしましたでちゅか?パン、パン!」
箱子が答える前に、吝奈と木憂華も二発の凶弾に沈黙のまま、膝から崩れた。
ゆっくり立ち上がったミニスカロリスは、手に何かを持ってるように構えているが、何も見えない。その姿勢のままで昆太の方に手を向ける。
「三人にいったい何をした?」
『パン!』
再び銃声がして、昆太の短い髪の端を削ぎ切った。
「ぐッ。この状況からは銃を撃ったのは明らかだな。それも拳銃も銃弾も見えないってやつか。しかし、それだけなら避けることはカンタンだぞ。」
昆太はミニスカロリスの横に回り、距離を取った。
「そう思うですか。ならばこうするです。」
横を向いたままのミニスカロリスは不敵な笑みを浮かべて発砲した。
「いて!肩を何かがかすったぞ。って、弾丸だよな。見えないピストルとタマって単語は洒落にならないなあ。」
「ずいぶんと余裕ぶっこいてるです。さあさあ、もっと『鬱』です。パン、パン!」
空を撃って昆太をビビらせるミニスカロリス。
「鬱になるほど、撃つってか。ははは。降参だな。その力は三人幼女と同じだな。」
「これが魔力です。市民を守るポリスとしては危険だと思うです。魔湧水があれば魔力が使えることは市長から聞いていたです。でもこんな形で発現するとは知らなかったです。コワい力です。ブルブル。」
震えるミニスカロリスだが、しっかりと昆太に手錠をはめた。
「このまま、刑務所に連れていくです。」
しかし、身長差が大きく、まっすぐに歩けない。
「仕方ないなあ。こうするか。どっこいしょっと。」
昆太はミニスカロリスをお姫様抱っこして、歩き始めた。
「は、恥ずかしいです。恥ずかしさで、気絶しそうです!」
この姿勢を取った場合、昆太が少し視線を下に向けた。そこにはミニスカロリスの幼女真っ白パンツがチラリ。ポリスブルーの制服スカートには黒パンツというのが定番であり、白というのは想定外で、ギャップ萌え気圧が昆太に発生した。
「も、も、も、萌ネ、萌ネ、萌ネ~!」
「いきなり、どうしたですかです?背中が熱いです!」
昆太は、タイホされたという立場イメージを脳内で繰り返して、萌え興奮神経を辛くも抑制した。
まだ動かない三人幼女は、別のミニスカロリスの運転するパトカーに乗せられた。
「パトカーがあるなら、それに乗ればいいんじゃないのか。」
「刑務所はすぐ近くにあるです。このまま運んでもらうのが気持ちいいです。ぽっ。」
ミニスカロリスの頬がピンク色に染まった。
どちらが逮捕されたのかよくわからないままで、一行は刑務所に向かった。
「到着しましたです。」
5階建の漆黒の建物が見える。上から見ると、V字型、つまり二股に分かれている。
「ずいぶんと殺風景な建築物だな。遊べるところとか、ありそうにないし。」
「のんきなことを言えるのもここまでです。この先に待っているのは地獄です。ブルブル。」
「まさか、地獄少女でもいるじゃあるまいし。」
「キサマか。この都市で、こともあろうに、市長を拉致しようとした未遂犯は!」
昆太の前に現れた真黒なボンデージ衣装の幼女。ツバ付きの黒い帽子の周囲はギザギザである。黒い目は鋭く切りあがり、鼻筋、口元もきりりと引き締まっている。
「オレはエンマ害(がい)。この刑務所のドS看守だ。いっぺんに死んでみる?そんなブーメランブルマを穿いたドヘンタイは地獄への直行便だ。ビシッ、バシッ。」
害は鞭で地面を何度も打った。
「先に三人を牢屋に入れてますです。任務完了です。こ、こわいので、このまま帰りますです。ブルブル。」
ミニスカロリスはそそくさとパトカーで消え去った。
「オレについてこい。ここに来たことを一生後悔させてやるぜ。ビシッ、バシッ。」
昆太とボンデージ幼女は、建物の奥に入っていく。
「ボンデージ地獄幼女!これはレアモンスターだ。萌ネ、萌ネ、萌ネ~!」
昆太は両手錠のままで、子犬のように害にむしゃぶりついてきた。
作品名:不老不死ロリの国 第三部分 作家名:木mori