オヤジ達の白球 16~20話
「うふふ。確かにその通りです。
でも男の人たちがむきになっている姿は、無邪気で可愛いものです。
いいですねぇ、本当に。
居酒屋さんののんべぃさんばかりのチームが誕生したら、
ホントに楽しいでしょうねぇ」
「楽しいかどうかは、やってみなけりゃわからねぇな。
どうやらこの勢いでいくと、なんとか必要とする人数はあつまりそうだ。
だが、どこからどう見ても、致命的な大きな問題がある」
「えっ?。何か問題でもあるのですか?」
女の目が男たちのテーブルを振りかえる。
真ん中に座る岡崎が、男たちの入部申し込みを次々に受け付けている。
その姿に、特に問題がある様には見えない。
「あの中に、野球やソフトボールの経験者は、ひとりもいねぇ。
つまり。そこへ集まっているのは、ルールもろくに知らねぇ
素人どもということだ。
そういう俺も監督になってくれと頼まれたが、ソフトに関しては素人だ。
俺の専門は、個人競技の柔道と剣道。
団体競技の経験は、まったくねぇ。
断ろうと思ったが、どうしてもとあいつらにゴリ押しされた」
「大丈夫です。やる気さえ有れば何でも達成できる。と誰かが言っています。
わたしが教えてもいいですよ。
日曜日なら空いてます。いつでも呼んでください。
暇をもてあましていますので」
(日曜日に、暇を持て余している?。
へぇぇ・・・ということはもしかして独身なのかな、この人は?)
(19)へつづく
作品名:オヤジ達の白球 16~20話 作家名:落合順平