オヤジ達の白球 16~20話
オヤジ達の白球(19)背番号
背後が急に静かになった。
さきほどまでの喧騒が、嘘のように静かになった。
入部希望の男たちが岡崎がひろげた紙を、食い入るように見つめている。
「あら。急に静かになりましたねぇ。
どうしたんでしょう。今度はいったい、何が始まったんでしょう・・・」
女が不思議そうに振り返る。
真剣な顔をした男たちが、指名の順番を食い入るように待っている。
「いいか。公平に行くからな。
じゃまず、くじを引く順番を決める抽選からだ」
男たちの真ん中に座った岡崎が、順番を書いた紙を裏返しに
テーブルへ置いていく。
男たちの目が岡崎の指先を真剣に追う。
どうやら全員が、1番の紙を狙っているようだ。
作品名:オヤジ達の白球 16~20話 作家名:落合順平