不老不死ロリの国 第二部分
こうやって、ふたりは自分の武器を見つけたんだよね。
「お兄ちゃんは安全なんだよ。第一、今こうして無事でいるのが何よりの証拠だよ。」
「でも箱子さんはさっきまで寝てたんでちゅから、その隙に、あんなことやそんなことをヤラレちゃんだとしてもわかりまちぇんわ。」
「あんなこと、そんなこと?それっておいしいの?」
「は、箱子さん!それは直球過ぎまちゅわ。せめて高速スライダーで訊いてくだちゃいまし。」
「直球、スライダー?なんだかよくわからないけど。だったら、あたしを調べたら?」
立ち上がって、図らずも茶色スカートの裾を引き上げた箱子。絶対領域が剥き出しになった。
「そ、そんな箱子さんの直エロポーズ!萌へ、萌へ、萌へ~!」
突然に萌えて果てそうになった吝奈。
「ほらほら確認してよ。減るもんじゃないし。」
「こ、こんなチャンスはめったにありまちぇんわ。拝むとしまちゅか、秘密の花園!」
吝奈は両手を頭より高く上げて、箱子のスカートの裾をつかみ、そのまま一気に引き上げた!
「吝奈ちゃん、何してるの?」
吝奈は箱子の前で正座していた。
「あれ?おかしいでちゅわ。もう一回。」
吝奈は再び箱子のスカートをつまんでいるが、それ以上は動かない。
「吝奈、何やってるぢゃん。こんな軽い繊維が持ち上がらないなんて、どこまでお嬢様スタンスを徹底するのぢゃん。こうして、こうやってぢゃん。」
木憂華が箱子のスカートを掴んで、上下に動かしたり、振り回したりするが、微動だにしない。
「まさか、これって、箱子さんのスカートの中の秘密を朝田先生に奪われたってことでちゅの?」
「どうやらそういうことらしいぢゃん。これが朝田先生の魔法の力ぢゃん。恐るべしぢゃん。」
「でもこれで、お兄様が箱子さんに乱暴狼藉できないことがハッキリしまちたわ。よかったでちゅわ。」
眉間にシワだらけ顔だった吝奈は、ニコニコフェイスに変わった。
「あ~。疑いが晴れてよかったよ。ではそのお礼にこちらのロリっ娘を拝ませてもらおうかな。」
昆太は、喜色満面の吝奈に、手と鼻の下を伸ばそうとした。
『バチン!』
「いて!」
吝奈は巨大化した牙で昆太の手をシバいた。
「油断も隙もあったものじゃありまちぇんわ。」
吝奈の魔法もしっかり自分をガードできていた。
「じゃあ、学校に行って、お兄ちゃんの世界のことを朝田先生に訊こうよ。」
こうして、三人幼女と昆太は登校路を歩むこととなった。
箱子たちが向かったのは、二十階建ての職員棟。すべてが教師のための建物である。生徒の校舎と同じく山色明細が施されてある。監視カメラだらけの一階のいちばん手
前のドアを開いた。
この一部屋だけで、普通の教室ぐらいの面積のど真ん中に、ひとつの机が置かれているのみ。大会社の社長が座るような木製の豪奢な机と椅子である。
そこに教師の姿は見えない。しかし、箱子たちはずんずんと朝田先生のところに進んでいく。
『ドン!』
いきなり机を叩いた箱子。
机のヒザラガイとして一体化していた朝田教師がアタマを机から引き剥がした。しかし、目を上げるのが限界で、いまだに鼻から下は机の一部である。真っ赤な大リボンは教師のだらけにめげずに、しっかりと屹立している。
「先生、あたしの秘密を食べたんだね。これじゃ、お兄ちゃんがあたしの秘孔を突けないじゃないの! 」
「箱子さん、ナニを言ってるかわかってるんでちゅの?秘孔って、スゴくヤバくありまちぇんこと?」
「秘孔なんて、大アニメにごくフツーに使われたフレーズだよ。映倫にも放送コードにも何にも引っかからないよ。」
「で、でもスカートの中の秘孔って言ったら。とてもこれ以上、口にできまちぇんわ!」
「スカートのポケットがそんなにヤバいのかな?」
「あっ。・・・。キャー!恥ずかしいでちゅわ!」
吝奈は職員室から猛ダッシュで退出した。
「うるさいのは、いなくなったのう。儂に何の用じゃ?授業開始時間にはまだ早いじゃろう。あ~あ。喋ると体内の空気が減って、さらに体が机を恋人にするぞい。ダラダラ~。」
涎が机平面に広がり、それが朝田教師と机の接着剤の役割を果たしている。
「もう先生、ちゃんと聞いてよ。このお兄ちゃんは、異世界の人間なんだよ!」
「まともな人間じゃないことぐらいはわかるわ。その腹出し体操服に、ぎっちぎちのブーメランブルマじゃからのう。異世界というよりはヘンタイじゃな。」
朝田教師は、昆太の下腹部をじっと見つめている。
「きゃあ。恥ずかしいよ~。」
慌てて、はちきれそうなブルマを手で隠す昆太。内股にしているのが、奇妙に艶めかしい。
「先生、からかってないで、どうしたらいいか、教えてよ。」
「それはタダではだめじゃな。ジーっ。」
今度は箱子の胸をガン見する朝田教師。
「また、セクハラ!嫌だよ。」
「毎日毎日辛いモノとセクハラしとるんじゃ。同じことばかりで飽きておるわ。貴様らの要求もすごくデカいぞ。まずは、異世界から来たとかということを証明してもらわんとな。今の状態はタダの変態ブーメランブルマじゃからな。そうじゃの。見たところ、男子に見えるぞ。男子ということであれば、化け物ということになるがの。」
「先生、男子のことを知ってるの?」
「し、知ってるわ。え~っと、今から百万年前に出会ったぞ。たぶん。」
「なんだか、雲行きが怪しくなってきたような気がするぢゃん。先生、男子って、この世界で見た者がいないじゃないかぢゃん?」
ツッコミは木憂華の担当である。
「そうじゃ。男子というのは都市、いや田舎伝説じゃ!」
机平面に張り付いていた残りの顔面下半分を引き剥がした。
「だから儂も長年男子を探しておった。この世界には男子はいない。男子がいるとしたら、それこそ異世界なんじゃ。」
「ということは、やはりあんちゃんは男子なのぢゃん?コ、コワい!キャー!」
「ちょっと待ってよ、キューリー夫人博士。お兄ちゃんが男子ならば、男子って、危険な生物じゃないんじゃないの?」
「そういうことじゃ。こ、これが兄者!初めて見たわ。うれしい。百万年待った甲斐があったというものじゃ。すりすり。」
朝田教師は机から完全離脱して、昆太の顔に自分の顔をマーキングした。
「ひゃあ。濡れてるよ~!」
涎にまみれていた顔を擦り付けたのだから、唾液が昆太に移転するのは物理的に当然の現象である。
「こ、これが兄者の感触なのか。筋肉がすごく固いぞ。それに骨格が実にしっかりしておる。たしかに、この世界のどんな生物とも違っておるわ。それに男子には『コア』があると聞くぞ。」
「「「コア?それって、ゴクリ。」」」
戻ってきた吝奈も含めて三人幼女が興味津々なキラキラ目つきになり、胸の前で手を組む祈りポーズになっている。
「よ~し。『コア』を確認するぞ。これは、毎日の幼女セクハラとはまったく違う胸のトキメキがあるぞい。じゅるじゅる。」
滴り落ちる涎を拭おうともせず、朝田教師の視線は、一点集中となっている。
「ひ、ひええ~。や、やめてくれ~!」
昆太はブーメランブルマを両手で押さえて隠している。
「無駄な抵抗はやめるんじゃな。ヒヒヒ。」
「ロリ幼女のみんな。ボクを助けてよ~!」
「「「・・・。」」」」
作品名:不老不死ロリの国 第二部分 作家名:木mori