はーい♡
「─ ねーさま、お願いがあるんですけど。」
私がテーブルを片付け終わったタイミングを見計らった様に、豆ちゃんは切り出しました。
「宿題を、果たさせて下さい!」
「…宿題?」
「ちゃんとした…恩返しがしたいんです!!」
「クッキー、食べに来てくれてるじゃない。」
豆ちゃんが、唇を噛みます。
「でも…」
「何か、恩返しの仕方でも 覚えたとか?」
「はい! 紐の編み方を覚えました!!」
「ひ・も?」
「頑張って沢山編みます。それを、里に売りに行って下さい!」
どの辺に突っ込もうか迷う私に、豆ちゃんは真剣な顔を寄せて来ました。
「エキノコックス紐と言う名はどうでしょう?」
「へ…?」
「紐には、寄生虫の名前をつける決まりなんですよね?」
「─ その決まり、初耳なんだけど」
「真田紐って…ご存知ありませんか!?」
「あれの由来は、戦国武将の<真田>だから。」
「え?!」