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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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隠子の婚約+美人の退職+愛娘の受験+仕事の責任=幸せの1/2

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「あれ? お酒飲んでるの?」
「うん、忘年会」
「・・・飲酒運転して、どういう気?」
拓君が今の状況を、冷静に理解出来ていないと分かって、怒鳴りたくなってしまったが、明日になってからこの状況を問い詰めようと、まず、自分を制した。
「ああー。もう疲れたー」
「勝手に寝てよ。そんなにベロベロになって運転するなんて、ホントにばか! バカ!! 馬鹿!!!」
「大丈夫だよ。これくらい」
「大丈夫じゃなかったでしょう! 思いっきりぶつけてるくせに!! んーーー!!!」
愛音はやっぱり我慢出来ない。このまま追い出してやりたくなった。
「保険で直すよ」
「その保険代、わ・た・し・が、払ってるんでしょうに!」
拓君はそのまま、自分の布団が敷かれた和室に閉じ篭ってしまった。
「あーあ、本当にお荷物!」
益々、婚約解消を本気(マジ)に望むのだった。同じ屋根の下に彼が居ることも、許せなく思えた。


 その頃、博之は残業中である。いつもは小原も博之に合わせ、残業まで手伝ってくれるのだが、この日は実家の両親に相談するため、早く帰宅していた。新年明けて早々から、実家で大豆の選別を手伝うはずだったのを、押し迫ったこんな時期に予定を変えるのは非常識とも言えるが、小原は自分の親なら説得する自信があった。なので段取りとして、まず親の許可を得てから、旦那にもう一度お願いしようと考えたのだった。
 博之は誰もいない事務所で、今年の売り上げを計算していた。
「やっぱり、新映像チームで利益は出ないか。俺の取った仕事だし、俺の責任だな」
丸川の態度には我慢ならないが、最近の小原の心遣いがあるから、何とか感情を爆発させずにいられた。
 来年から新映像チームを指揮して効率を上げ、十分な利益を確保するには、どうすればいいのか考えるために、それぞれの作業者の日報に目を通していると、あることに気が付いた。
「これって、同じ時間に同じ作業をしているな。あっ、こいつもだ。そんなに人数必要ないはずだけどな」