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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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隠子の婚約+美人の退職+愛娘の受験+仕事の責任=幸せの1/2

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「小原主任と同時に抜けられちゃ、部長も困るだろ」
「もう限界です。小原の後をフォローするだけでも大変で、新映像チームの増員を同時に進めるつもりでしたが、まさかの年始早々に私が作業に入らないと、追い付かないような状況です」
「それはよくないな。部長の仕事じゃない」
「確かに、店長が店番してるようなコンビニが、発展するはずないですからね」
「レジ打ちを雇わんとな。まさに人材不足だな」
「それで社長に人員募集の方をお願いしたいのですが、大丈夫でしょうか?」
「募集もずっとかけとるが、なかなか応募がないからな」
「派遣会社も人を紹介出来ないぐらいですからね。どこの企業も同じみたいですが、労働者人口の減少はどうにもなりません」
「よし、もう採算は考えんでいい。人材紹介手数料取られても、とにかく人を入れよう。過分に入れても構わん。パートでもアルバイトでも、とにかく採用していこう。人が余っても仕事は取れるだろう?」
「は、それは必ず取ってきます。過剰人員を恐れず、まず人を集めることに集中します」

 この後、博之が社長と一緒に企業監査の面談を受けた後、一仕事終えたと安堵しているところに、小原がやって来た。
「木田さん!」
「あれ? ちょっと元気になったみたいだな」
彼女の表情が明るくなっていたので、博之も嬉しくなった。
「はい、旦那、先に帰って来たみたいで、LINEで『ケーキがホールサイズしかないけど、これでいいか?』って」
「ケーキ?」
「クリスマスケーキ、もう大っきいサイズしか売ってないみたいで。他にもケンタッキーにも寄って、スーパーにも寄ってくれたみたいです」
「何だ、ちゃんと考えてくれてるじゃない」
「きっと、私が口聞かなかったから、ヤバイって思ったんです」
「そうだろうな。それでいいじゃないか。ケンカするんじゃなくって、相手にうまく反省させられたんだから」
「そういうことですよね。木田さんが言ってたことって」
「いや、こんなに簡単に、解決するとは思ってなかったけど、でも、プレゼントは用意したのかな?」
「それは多分まだだと思いますよ。そんなにすぐに買いに行けないですから」
「じゃ、それも今日、おねだりしてゲットしようか」
「はい! 今晩は抱かれます!」