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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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隠子の婚約+美人の退職+愛娘の受験+仕事の責任=幸せの1/2

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「ははは。そりゃ小原が可愛いからだよ」
「ですよね。女は可愛くて何ぼですよ(笑)」
(自分でよく言うなぁ。・・・でもそう言えるほど自覚してるってことは、相当な経験積んでるんだな)こう思わずにはいられない。
「ふふ、ずっと可愛く振舞うのって大変だろ」
「ええ、がんばってますよ」
「それは新婚だから、旦那さん嬉しいだろうな」
「でも、毎日赤ちゃんみたいな声で甘えて来るんです」
「えええ? 赤ちゃんプレイ?」
「そこまでしませんけどっ! すりすりして甘えた声出すんです。最初はそんな人じゃなかったのに。木田さん、そんなふうに奥さんに甘えたりします?」
「するかぁ! 俺は絶対に女の人に甘えたり出来ないわ。そういうの嫌じゃないの?」
「すごくイヤ! でも養子に入ってもらってるんで、そこだけは我慢しようと割り切ってます」
「そうか。退職したら、実家に帰るんだったね」
「そうです。旦那とうちの農家を継ぐんで、本当に申しわけありません」
「イヤイヤ、俺も実家が農業やってたから、その辺の事情は分かるし、それに何年も前から聞いてたことだし、お婿さん取ってまでのことだろ」
「だから年末までということで、無理言ってすみません」
「うん。それまでに仕事の引継ぎをしっかり頼むね」
「ハイ、その計画に付いて、話しておこうと思いまして」
「・・・飲みながらじゃ、まずかった?」
「あ、いえ。愛音さんの結婚式の話もあるし、今日はざっくばらんで」
「それも関係ないこと相談しちゃって悪いな」

 ワイン樽をリメイクした座りのよくないテーブルに、牡蠣が並んだ。
「こちらから秋田産、能登産、京都の舞鶴、五島列島の岩牡蠣です。お好みでレモンを絞って生でどうぞ。焼牡蠣はあと少し七輪で炙ってから、お召し上がりください」
店員のハキハキと丁寧な説明を、無言で聞く二人。
 博之は白ワインで生牡蠣を、小原は焼牡蠣に味噌ダレを付けて、ビールで流しこんだ。
「うまいなぁ」
「うっま! 味噌で食べたの初めてですけど」
「俺にもちょうだい」
「お味噌塗ってあげますね」
「うーん・・・お前、最近変わったな」
「ええ? どこがですか?」