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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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隠子の婚約+美人の退職+愛娘の受験+仕事の責任=幸せの1/2

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第18章 頭ヨシヨシ



 クリスマス当日の朝、事務所で小原が博之のデスクの横に、椅子を移動させて来て座った。
「もう、何なんでしょうね、あれ」
「どうした? また3人娘、なんかあった?」
「旦那」
「ケンカでもしたのか? イヴに」
「我慢しましたけど、“離婚”ってワードが頭を過りました。言わなかったですけど」
小原がそんなワードを口にしたのは初めてだった。
「何があったんだ? 楽しみにしてたのに、プレゼント貰えなかったのか?」
「はい。コート約束してたのに、あの人朝からパチスロ行くんですよ」
「ああ、一日中?」
「昼からアウトレットに行こうって、誘ってたんですけど」
「プレゼントの催促してなかったの?」
「出来ません」
「お前は可愛がられてるんだから、おねだりしていいんじゃない?」
「『可愛い』なんて言ってくれる回数、木田さんの方が多いですよ」
「あ、俺言い過ぎ。デリカシーなくてゴメン」
「甘えられてはいるんですけど、それってやっぱり面倒なだけ。・・・ふうー」
小原は、深いため息をついた。普段の強気な彼女は、どこかに行ったみたいだ。
「で、結局どうなったの?」
「3時前に帰って来て、『今からアウトレットは、面倒だからやめよう』って言うんです」
「ええ? マジか?」
「それじゃ、食事だけでも食べに連れっててもらおうと、お願いしたのに、『今からじゃ、予約取れないだろ』って」
「イヴじゃ難しいかもな」
「でも私、スマホで探したら、結構まだ予約出来る店あったんですよ。木田さんに勧めてもらってた『洋食 Shi−ba』も夕方なら空きがあったんですけど、旦那はその店の話、無視して寝ちゃったんです」
「なんで?」
「木田さんから勧められたって言ったからかな?」
「なんでなんで?」
「さあ?」
博之は(こっちでも疑われてるのかな?)と、拓君と重ね合わせて考えるのだった。
「それで、エスタシオンホテルのレストランにしたんですけど、一駅だし、30分もあれば着くから、予約の1時間前に旦那を起こしたら、もっと早く起こせって怒るんですよ。もう、悲しくなってしまって私・・・」