隠子の婚約+美人の退職+愛娘の受験+仕事の責任=幸せの1/2
第17章 メリークリスマス
「さあ! 週末はクリスマスですよ! 木田さん、何か予定あるんですか?」
「え? クリスマスは土日だっけ?」
小原がどこかしら、ウキウキしているように見える。やはり女子にとって、クリスマスは特別な日だ。
「日曜がイヴです」
「ああ、そうだった。それ忘れて、新映像チームに日曜出勤させるとこだった」
「また、休日出勤するつもりだったんですか?」
「一年て、あっという間だな」
「・・・・・・」
「どうした? 小原」
「あと一週間で、さよ〜なら〜です」
「ふー。そうだな。送別会は1月の終わりか、2月の頭くらいでいいか?」
「ありがとうございます。それで嬉しいです」
「クリスマスプレゼントは、買った? 旦那さんに」
「もう渡してあります」
「何?」
「プレステのVR」
「あ、いいな。それやってみたかったんだ。旦那ゲーム好き?」
「家帰ったらずっとやってますよ。愛音さんだったら離婚してますよ。きっと」
「そうかも知れないな。お前は嫌じゃないの?」
「結構イヤ。でも我慢。なあんて。私もスマホでずっと、イケメン君育成してますけどね」
「なんだそのアプリ。お気楽だな」
「飽きたら別れるんですよ。フフフフ」
「なるほど。愛音はまだ、別れられないみたいなんだ。相手が家を出てってくれないんだってさ」
「最近、居座るやつ多いらしいですから。合鍵返さないとか」
「粘るつもりなんだろうな」
「木田さんは、元カノに執着したりしなかったですか?」
「全然。未練は残さないな」
「すぐ、次行くからでしょ」
「うん、そうですけど。何か?」
「あれ? 開き直った」
「もう、お前にはかなりなこと、喋っちゃったから、建前みたいなこと言っても仕方ないだろ」
「ですね〜。(笑)」