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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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隠子の婚約+美人の退職+愛娘の受験+仕事の責任=幸せの1/2

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「ホテルの人をよく口説けましたね」
「それがね、その娘、俺の部屋の番号だけ覚えててくれてたり、ロビーに座ってると缶コーヒー持って来てくれたり。ある晩、部屋で寛いでたら、お皿に焼き鳥みたいなの乗せて持って来てくれたこともあって、そんなサービスあるのかって思っててさ。それで、吉山にそのお皿洗って返したかどうか聞いたら、彼は貰ってないって言うしね、これはイケルでしょう」
「彼女常習犯ですね。でもそれ、結婚後ですよね」
「うん。相手には結婚してるって言っておいたけど、気にしてなかったみたい。お蔭で俺は、中国語を勉強するきっかけになったんだ。吉山にも同僚を紹介してくれて、でもその時、吉山の方は結婚してないふりしてたんだけど、奥さんから国際電話がかかって来て、それを取り次いだフロントの娘が、相手に名前を確認したら、『妻です』って答えちゃって」
「ははははは」
「それでホテル内で修羅場になったんだ。俺までとばっちりを食らって、『どうして吉山が嘘ついてるの黙ってたんだ!』って言われたけど、吉山とはこの仕事で初めて台湾で会ったことにして、日本での生活は知らなかったことにしておいた」
「ワル〜」
「でもそんなことは、全部海外でのことだから、日本では関係ないさ」
「でも浮気してるじゃないですかぁ」
「だから海外のは別。日本では絶対しない」
「また、男の人の理論ぽいですね。どの口がそう言えるんですか?」
「この口この口。俺は絶対浮気しない。仮に浮気がばれても、隠子がいたとしても、泣いて別れてくれって言われても、絶対に別れない。俺はそれぐらい女房を愛してる」
「何それ? 変な理屈。真実はどこにあるんですか?」
「お前はまだ新婚さんだから、さすがに浮気はないだろうな」
「それはないです。でも、前に逆はありました」
「妻帯者と付き合ってたってこと? 高校の先生?」
「いえ、別の人です」
「多いな」
「違うんですよ。付き合い始めた時は結婚してなかったんです。彼、すぐあとに結婚して、騙されたと思いましたけど、『お前の方が好きだよ』て、言われたら信じちゃうんですよね」
「ああー。常套手段じゃないか」
「でもSNSのメッセージやり取りしてるの、奥さんに見られて、『うちの旦那と仲いいらしいじゃない?』て、電話がかかって来て、それで縁切りました」
「怖い。その後、何もなかったの?」
「奥さんが妊娠中だったんで、ことを荒立てる気はなかったらしくって、彼は後日謝って来て、それからも関係を続けようとされたんですけど、もう一回だけ思い出にやって、別れてやりました」
「ははははは。最後によくやった」