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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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隠子の婚約+美人の退職+愛娘の受験+仕事の責任=幸せの1/2

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「それじゃ、先生はもう、後には引けないですよね」
「だろ」
「うまくやりましたね」
「そんな計算してなかったけどね」
「・・・へへへ、また罠にかかりましたね」
「え?」
「今の返事は、この後もっとすごい関係に発展したって証ですよ」
「ええ? そうか。別にそんなことないけど」
「いいえ。先生はもう、放り出すわけにはいかなくなってるじゃないですか? 先生と何したんですか?」
「もうまいったな。知ってる友達も多いからいいけど。実は先生とキスしたんだ」
「おお、よかった! 思った通りの展開。酒がうまくなるってもんですよ。どういう状況だったんですか?」
「先生の誕生日にな、つまらない物だけどプレゼントを用意したんだ。それがバスケの練習試合の日だったんだけど、先生に会場まで応援に来てもらえたから渡せた。それでその帰りに、先生のアパートにお邪魔させてもらえてさ」
「うんうん。先生の悪いたくらみに乗せられましたか」
「そうなのかなあ」
「どんなふうにキスしたんですか」
「彼女作れ作れって言うもんだから、『先生のことが一番好きだから、そんなこと考えられない』って。言ったら、『私とキスしたい?』って」
「それはチャンス」
もう小原は前のめりで、エロ可愛い笑顔全開だ。
「え?って思って困ってたら、何も言わず先生からキスして来た」
「やったあ」
「俺の中ではこれがファーストキス」
「ほほう。乾杯しましょう」
小原と博之は笑いながら、お互いのタンブラーをカチンと当てた。
「でもキスにトラウマがあったのに、大胆な女ですねぇ」
「逆にすごく感謝していて、そのトラウマを解消させてくれたって感じかな。今まで悩んでたこと全部、その一回で吹っ飛んだって感じ」