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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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隠子の婚約+美人の退職+愛娘の受験+仕事の責任=幸せの1/2

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 女子が博之に付きまとうのは、中学になってもなくならなかった。いろんなグループが出来て、女子同士で対立したりしていたかもしれない。
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「俺の友達にも彼女が出来始めて、内心羨ましいなって思ってたんだけど、俺は誰かと付き合う勇気が全然なくって。むしろ女子が怖かったよ」
「解ります。男の子でもそんなことがあったら、立ち直れないですよ。それから、どうしたんですか?」
「中2の時にひとみ先生が来て、可愛い先生だったから好きになって。これ前に喋ったね」
「はい。先生も木田さんのこと、気にかけてくれるようになったって」

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 毎日のように、博之はひとみ先生からピアノレッスンを昼休みの音楽室で受けていた。女子を受け入れられない博之にとって、それは心安らぐ時間になっていた。ただそれだけの関係だったが、また事実とは異なる二人の怪しい噂が広まり、状況は一変した。
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「普通、生徒と怪しい関係とか言われたら、ちょっとは自重するでしょ。でもひとみ先生は、やましいことは何もないって言って、俺を遠ざけようとしなかったんだ」
「その先生、他の女子生徒とも、トラブルになったんですよね」
「うん。俺に近付くな!って、バスケ部の女子から脅されたみたいだった」
「それでも、木田さんから離れようとしないなんて、おかしくないですか?」
「おいおい、先生のこと悪く言うなよ(笑)。そこでやっと話が繋がるんだ。小学校のキス事件」
「あ、それがどういう関係で・・・」

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 可愛いと評判のひとみ先生と博之が仲良くしていることに、嫉妬する生徒が男女ともにいたのは間違いない。そのうちの誰かが、小5の時のキス騒動を、ひとみ先生にばらしたのだった。
 絶対に知られたくなかった黒歴史。博之は落ち込んだ。
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「もう、ひとみ先生にまで誤解されたらと思ったら、顔も見れなくなってね」
「微妙な年頃ですね」
「それでもう、先生を避けてたんじゃないけど、まともに話も出来なくなってしまって、先生も困惑してたよ」

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 そんなタイミングで博之は1日学校を休んだことがあった。それほど体調が悪かったわけではないのに、登校拒否をしてしまった。
 それを聞いて、ひとみ先生は仲のよかった養護教師に頼んで、博之のカウンセリングが行われた。
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