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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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隠子の婚約+美人の退職+愛娘の受験+仕事の責任=幸せの1/2

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第11章 二人の二次会



「どうするんですか?」
「そりゃ、産むんでしょう」
「でも、別れるんですよね」
「別れる。そう言ってたね」
「一人で育てて行くんですか?」
 博之は、大きく溜息をついて、小原にこう言った。
「その決心が着くまでは、婚約を解消出来ないんじゃないかな」
そして、忘年会の間中、昨晩の出来事を小原に説明した。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 病室のベッドに横たわり、呆然とする愛音の側に、博之と知子が立っていた。愛音は、腕に器具を取り付けられ、心拍数がモニターに表示されている。大事を取って今晩は病院に泊まることになったのだ。
「今日はもう疲れただろうから寝なさい。一緒にいてやるから」
「あなたは、帰った方がいいわ。送って、私がまたここに来るから」
「ありがとうございます。知子さん。でも、もしもの時は病院なんだし、私一人でも大丈夫ですから」
「けど、一人だと心細いだろ。遠慮するな」
「ううん。いいの、一人で考えたいから」
「じゃ、明日の朝、また来るからな」
「いいよ。そんなに早く朝の面会やってないと思うよ。パパ会社でしょ。夜は忘年会だって言ってたじゃん」
「そうね。明日の朝、私が来るわ。それで退院になったら、家まで送るから」
 博之が自宅に着いたのは、深夜2時を回っていた。秋日子をベッドに寝かせ、翌日のことを知子にお願いした後、二人も床に着いた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 忘年会がお開きになって、店の前に出た時、小原は博之の側を離れて立っていた。パートの女性陣が博之のところに集まって来ていて、二次会について話していたからだ。それを見ていた小原は、
「木田さん、二次会なんてやってる場合じゃないんじゃないですか?」
その言葉でパートたちは、顔を見合わせその場から散って行った。

「帰らなくて大丈夫ですか?」
「愛音のこと? それがね、一晩経ったらピンピンしててね。今、電話してみたら、もう心配なさそうだって」
「それは愛音さんの強がりですって」