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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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隠子の婚約+美人の退職+愛娘の受験+仕事の責任=幸せの1/2

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「パルメザンとルッコラと一緒にどうぞ」
奥さんが低い声で勧めた。
「へえ、パルメザンチーズのスライスも。こんなお洒落に食べたことない。見られてると緊張します」
愛音は体良く、奥さんを追い払った。そして、

「私ね。結婚やめようと思うの」

「・・・どうして?」
「性格が合わないわ」
「よかったじゃないか」
「え?」
「結婚する前に気が付いて」
「うーん」
「向こうの両親にも、正式な婚約とかする必要があるって言われてたんだろ。その前でよかったと思うよ」
博之はなんだか、気が楽になったように感じた。
「ごめんね。保証人とか面倒なこと相談してたのに」
「そんなこと気にしなくっていいさ。それより、拓君とはちゃんと話着いたのか?」
「・・・まだ、話してない」
「そういうことか。同居してしまってるから、また面倒なことになりそうなのか?」
「面倒なこと。うん」
愛音は、グラスを持って、ジンバックを一口飲んだ。
「うわ。美味しーい」
「ここのジンバックは特別だよ。他所で飲んでも、こんなに美味くないな」
「なんだろう。私、こんな風に優雅な食事なんてしたことない」
「先生は、お前を育てるだけで必死だったんだろう」
「お母さん、無理してた」
「だから、お母さんの分まで幸せになってほしい」
「ダメだわ。私、結局お母さんと一緒」
「何が?」
「やっぱり、幸せな家庭なんか持てないな」