隠子の婚約+美人の退職+愛娘の受験+仕事の責任=幸せの1/2
「秋日子ちゃん、どうでした?」
小原が朝一番に聞いて来た。事務所の皆も博之を注視している。
〜〜〜 合格発表で 〜〜〜
「あった!」
一番に叫んだのは、当人の秋日子だった。
「どこどこ?」
「真ん中の下の方、103!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「・・・・・・無事合格したよ」
「おめでとうございます」
皆口々に言って、拍手が起こった。
「ありがとう。公立でよかったよ。私立に行くことになったら、年間70万も授業料が高く付くから」
「そんなに違うんですか? じゃ、ご褒美いっぱい買ってあげてください」
「そうなんだ。その足ですぐ、娘のスマホを買いに行ったよ。それと絵を描くのが好きだから、パソコン用のペンタブレットと、スマホ用のVRセット。合計で12万ぐらいかかる」
「70万に比べれば安いもんじゃないですか」
「実際そうだよ。70万浮いたと思ったら、気が大きくなっちゃって、女房にもまた、ダイヤのペンダント約束してしまった。夏にはシンガポールとバリ島にも行こうとしてる」
「無茶苦茶リッチですね。部長は何買うんですか?」
岩瀬が聞いた。
「僕? あ、金魚10匹買ってもらうことになった」
「あはははははは・・・・・・」