小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

隠子の婚約+美人の退職+愛娘の受験+仕事の責任=幸せの1/2

INDEX|125ページ/149ページ|

次のページ前のページ
 

第30章 爆弾



 新・新映像チームの岩瀬が、資料を抱えて事務所に戻って来た。パートの女性がそれを受け取って、自分のノートで何やら確認している。藤尾もそこにやって来て、資料に目を通して、
「やっぱり間違ってるな」
その一言を聞いて、博之は岩瀬のデスクに近寄った。
「どうした?」
「年末のセミナーのV(動画)なんですけど、ミスってますね」
「もう発送済みだよな」
「年末に丸川係長が編集してたやつです。構成の順序がコンテと全然違うんです。時系列にも合ってません」
「なんで間違ってるんだろ」
「分からないです。納品先から問い合わせがあって、今知ったばかりです」
皆有り得ないミスに困惑している。博之は責任者の藤尾に任せて、黙って聞いていた。
「編集完了後のWチェックは誰がやった?」
藤尾が聞いたが、誰も名乗り出ない。
「まさかと思うけど、Wチェックやってないのか?」
博之は我慢出来ず口を出した。
「チェックリストが、ありません」
パート女性が資料を確認しながら言った。
「ないはずないだろ。必ず小原主任がプリントしてくれるのに」
藤尾が眉間にしわを寄せて言った。
 博之は内線電話で小原主任を呼び出した。小原はすぐに走って来た。
「小原さん、年末のセミナーのVのチェックリストって出した?」
「年末のセミナーは木田部長が手伝われたやつですか?」
「いや、違う。丸川係長が担当してた方」
「それなら、12月初めには丸川さんが受け取られましたけど、ないんですか?」
「ああ、君が渡したの?」
「いいえ、プリントしたのは私じゃなく、引継ぎの練習に部下にさせました」
「あ、それで間違った内容を渡したのかな?」
「いいえ、それは有り得ません。内容は私がちゃんと確認しましたので」