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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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隠子の婚約+美人の退職+愛娘の受験+仕事の責任=幸せの1/2

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[あ。あき? ママは?]
「一緒に車に乗ってる」
[愛ちゃんの?]
「そう」
[送ってもらってんの?]
「うん」
[パパな。そっち向かってんだけどね。雪で渋滞してて間に合わんわ]
「・・・うん。・・・それで?」
[えーと、試験開始前に顔見ときたかったんだけど、無理だ]
「別にいいよ」
[なんで? 『がんばれ!』って言いたいじゃないか]
「がんばらなくっても大丈夫だから」
[なんだよ。あっさりしてやんな。じゃ、落ち着いてやれ]
「ははは、緊張もしてないよ」
[じゃ、合格して来い]
「プレッシャー感じたら、すべるかもよ」
[どっちやねん]


 この日拓君は、実家で両親を前にして、ダイニングテーブルに着いて朝食を摂っていた。突然帰宅したことに付いては、まだ何の説明もしてないのだった。
「どうしたの拓ちゃん、愛ちゃんと喧嘩でもしたの?」
「まあ」
「正月も帰って来なかったのに、何があったのよ」
「別になんでもないよ」
「親戚回りもしなくちゃいけなかったのに、困るじゃない」
「ああ。ごめん」
「結婚式の予定はまだ決まらないの? それに木田さんとかいう人にも、会わないといけないんでしょ?」
「別に会わなくてもいいよ。母さんが会わせろって言い出したんじゃないか」
「こういうことは、きっちりしないといけないでしょう」
「そうだな。愛音さんはしっかりしてる人だから、お前が話をこじらせてるんじゃないのか?」
寡黙な父親も心配しているようだ。
「・・・・・・」
「お母さん、明日にでも愛ちゃんに会いに行こうか?」
「いいって、そんなことやめてよ」
「拓、あの車だって、いつまでも路駐しとくわけにはいかないだろう」
「ガレージ探すよ」
「・・・拓ちゃん、それじゃ・・・・・・」
「ううーん。もういいから。だまってて!」