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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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隠子の婚約+美人の退職+愛娘の受験+仕事の責任=幸せの1/2

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第28章 受験本番



「さあ、本番。秋日子、忘れ物はない?」
「ない。ちゃんと確かめた」
 この日は、愛音が試験会場まで、車で送ってくれる段取りになってる。3人は玄関を出ると、愛音がドアに鍵をかけながら、同時にキーケース内のリモコンキーで、車のドアロックを解除した。
「雪降ってるから、早くお姉ちゃんの車に乗って」
秋日子は愛音の車に近付き、
「前に乗っていい?」
と聞いた。
「うん。いいよ。ベルトちゃんと締めてね」
「うわー。お姉ちゃんの車の中、カワイー! いい匂いがする」
ちょっと少女趣味寄りだが、博之の家庭ではお目にかかれない、女子力高めのセンスだ。
3人を乗せ、雪の降る中、ご機嫌で車は走り出した。
「あきちゃん、全然緊張してないね」
「うん。自信あるもん」
「県中(県立中学)って言っても、偏差値は県内1位の進学校でしょ」
「そうだよ。だから行きたいんだよ」
「すごい。お姉ちゃんはピアノしかしてなかったから、アホだったよ」
「あきも結構アホなとこあるじゃない。カワイー制服目当てでしょ」
知子が秋日子に、言い聞かすように言うと、
「今日は、“かしこ”で行きます」
「ホントに頼むわよ。受験票持ってる?」
「持ってる」
「消しゴム2個持ってる?」
愛音も聞いた。
「4個持って来た」
「えっ、4個も」
「鉛筆は?」
「8本削ってある」
「定規とかって要るの?」
「それは持ち込んじゃダメなやつ」
「そうなの? 計算機とかだったら分かるけど」
「スマホもだめだよ」
「それは、当たり前でしょう。時計は?」
愛音がそう聞くと、知子が後部座席から身を乗り出して、
「あき、腕時計はしてる?」