Deep Fantasia 別エンディングバージョン
しばらく泳いで進むと、大小いくつもの貝殻でできたお城が見えてきました。
「ほら、あちらが私の家です!」
人魚がお城のほうを指差して言いました。
「やっぱり、君はお姫様なんだね」
「はい、そのとおりです」
やがて、2人は海のお城の門に着きました。色とりどりの魚たちが、楽しそうに泳ぎながら良太郎を歓迎してくれました。海のお城の楽しそうな雰囲気に、良太郎の顔はほころびました。
お城の大広間に入ると、大勢の人魚が良太郎を迎え、1人が彼の首にパステルグリーンの貝殻のネックレスをかけてくれました。
「明るいねえ」
数人の人魚に案内され、彼は大きなテーブルの1席に座りました。
彼の前には、いかにもおいしそうなごちそうが並んでいます。
「いやあ、まるでVIP待遇だな」
良太郎を連れてきた人魚に勧められ、彼はスプーンを持ってコーンピラフを食べました。その料理がおいしかったのは言うまでもありません。ほかにもサラダにチーズフォンデュ、何種類かのパン…。人魚たちの食べるものは人間と変わらないようです。
作品名:Deep Fantasia 別エンディングバージョン 作家名:藍城 舞美