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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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夕日を見ている美穂と言う女

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 冴子が出た後も高木はホテルにいた。髪の長さなどは違っていたが、どこか美穂に似ていると感じていたのだ。パチンコ店で会った美穂。コンビニで会った美穂。そしてホテルでも美穂に出会ったと高木は思ったのだ。ただ、ホテルでの彼女が美穂である確信はなかった。あまりにも今日出会った女性は美しかったのだ。
 仕事でもないのにコンビニに行くこともできない。高木はパチンコ店に行くことにした。タクシーでパチンコ店に向かい、腹が減ったことに気づき、途中の飲食店で降りた。洋食のチェーン店であった。ありきたりのパスタを注文した。パスタを運んできた店員も、美穂であった。高木は店員の顔を見つめた。
「他にご注文でもありますか」
「今日僕に会いましたよね」
「いいえ」
「昨日は会いましたか」
「仕事中です。失礼させてください」
 僕はパスタが喉を通らなかったから、水で流し込んだ。
 夢を昨日から見ているようだった。
 とにかくパチンコ店に行こうと思った。パチンコ店のスロットコーナーを見たが、美穂の姿は見られなかった。自販機でコーヒーを買い、スロットの台に座った。美穂らしき女性を4人見ている。同じ女性なのか似ている女性なのか、2日で4人もの似ている女性に出会うことは奇跡ではないか、高木は不思議に思った。店内の大音量の音楽が高木の頭を一層混乱させた。