移り変わる暮らし
だが竜宮城から帰った浦島太郎のように、リアルで親密な人物がいないことにハッと気が付づくことになる。友人や知り合いは皆家族がいるし、独り者でも決まった女友達を身近に持っていた。
さしあたって自分の周りを見回すと知り合いは沢山いても、通って来てくれる親友はおらず先方から電話が掛かることもない。
繋がっているといえば、時々思いついたように写メールを送ってくる都会住まいの娘だけだ。
女友達に限り、遠くにいる者や地元に居る者にはいつも自分のほうから電話を掛けて話す。
せいぜい30分か1時間の対話のつながりだ。