小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

オヤジ達の白球 6~10話

INDEX|6ページ/15ページ|

次のページ前のページ
 


 「おっとっと。
 念のために聞いておくが、ホントに例の女の正体が判明したんだろうな。
 お前には昔からそそっかしいところが有る。どうにも油断がならねぇ。
 間違いのねぇ情報なんだろうな、今回ばかりは?」

 岡崎の鋭い視線が、じろりと坂上の汗ばんだ顔を見上げる。

 「間違いなんかあるもんか。この目でしっかり見届けてきたんだ。
 なんだよ、同級生のおめえまで疑ってんのかよ、この俺のことを」

 「疑ってるわけじゃねぇが、おめえは信用できねぇ。
 だがその眼でたしかめたというのなら、どうやら今度はほんもののようだ。
 どうだ。もう一杯ビールを飲むか。何杯でもおごってやるぜ。
 おめえの話が、本物だと言うのなら」

 岡崎に呼応するように、男たちが奥のテーブルへ集まって来る。
「俺もおごってやるぜ。その話が本当なら」
坂上の耳元へ、男のひとりがつぶやく。
飲んべェたちが、ぐるりと坂上と岡崎を取り囲む。

 「俺も乗ってもいいぞ、その話に。
 坂上は嘘はつかねぇ男だが、ほんとのことも言わねぇ男だ。
 世間じゃ千に3つホントのことを言えば、千3つと呼ぶが、そいつの場合、
 出まかせばかりの万空ばかりを言う男だ。
 その話が事実ならお前さんのビール代を一ヶ月分、俺が
 払ってやってもいいぞ」

 カウンターから人相の悪い男が声をかける。
「北海のひげ熊」と呼ばれている男だ。しかし喧嘩早いことから周りからは
「北海のがらっぱち」と呼ばれている。

 (8)へつづく