小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

オヤジ達の白球 6~10話

INDEX|5ページ/15ページ|

次のページ前のページ
 


 「聞いて驚くな。お前さんたちの期待をついに解明したぞ。
 例の謎の美人の正体が、判明した。
 どうだ。俺もやるときはやる男だということが、これで証明できただろう!」

 「へっ・・・女の正体が判明した?。
 よく言うぜ。どうせまた、いつものガセネタじゃねぇのか?」

 「一番女に縁のねぇ男が、例の謎の女の正体を解明したってか?
 ホントかよ。信じられねぇなぁ・・・」

 「なんだお前ら。疑っていやがるな。
 本当だとも。俺のこの目がしっかり、たしかに見届けてきた!。
 正真正銘のビッグニュースだぜ、今回ばかりは、な」
 
 「それが本当ならたしかにそいつはビッグ・ニュースだ。
 何やってんだ、おまえ。
 そんなところで水なんか飲んでないで、こっちへ来て詳しい話をきかせろ。
 大将も気がきかねぇなぁ。
 飲んべェに水なんか飲ませてどうすんだ。
 のどが乾いたときは、ビールと相場が決まっているだろう。
 大将。俺から一杯、ビールを出してやってくれ」

 男が奥のテーブルから、坂上を手招きする。
呼んだのは岡崎真也。こちらも40歳。坂上と同級生の間柄。
岡崎は、自動車部品のゴムを加工している。
ゴムが放つ独特の匂いと機械から発生する高温のため、若い世代から
もっとも敬遠されている職業のひとつだ。

 ドンとテーブルに置かれた生ビールを指さし、「遠慮なくやってくれ」と
岡崎がニタリと笑う。
この男も、ふらりとあらわれる例の謎の美人に熱をあげている。
坂上が「じゃ遠慮なく」と毛むくじゃらの右手を伸ばす。
その手を岡崎がかるく制止する。