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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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LOVE BRAVE外伝Ⅲ

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 神殿内のダイニングを出て2分ほど歩いたところで、先頭を歩くフィルが階段を見つけた。
「あ、階段がある。上ってみよう」
 階段を上った先には、玉座のような形をした、ひときわきらびやかに飾られた祭壇があった。今までの様子とは違うすごさに、4人は大きく息をのんだ。
「うわあ、すごいや。王様の椅子かな」
 フィルが言うと、ヒューゴが答えた。
「いや、これは多分……祭壇だな。俺たちはこれから捧げられるのか」
「おい、そんな不吉なこと言うなよな」
「ごめん、冗談だ」

 ジミーとヒューゴがこんなノリで会話していると、スティーブンが祭壇の真向かいの壁を指差して言った。
「あの、あそこに何か文字が書いてありますよ」
 全員がそちらに移動した。壁の上のほうに、「RNBW DRPS」とアルファベットが綴られている。しばらくの沈黙ののち、ヒューゴが口を開いた。
「宝物の在りかを書いてるのか?」
「あるいは、宝物のある部屋のドアを開くための呪文かな?」
 ジミーも困り顔で言った。

 彼らが答えに困って5分ほどたったとき、スティーブンがぱちっと目を開き、堂々と前に進み出た。
「おっ、スティーブン、何か分かったのか?」
 ジミーが聞くと、スティーブンは自信なさそうな顔をしたが、壁に向かって
「レインボードロップス!」
 と大声で言った。その直後、ガタッ、と何かが落ちるような音が聞こえた。その方向を見ると、壁に四角い穴ができて、その中に両手に乗りそうなサイズの宝箱があった。
「あっ、宝箱だ!すごいなスティーブン、何で分かった?」
 フィルが興奮しながら聞いた。
「いや…何でか分かんないですけど、頭の中にふわっと出てきました」
 ほかのみんなも拍手した。スティーブンは大照れ。

 早速フィルが宝箱を開けてみると、口を金色のリボンで結んである白い袋が入っていた。
「何だろ、この袋」
 彼が袋の中身の一つを出してみると、それは半透明の包み紙に包まれた赤紫色のキャンディーだった。
「あ、キャンディーだ!ヒューゴもどうぞ」
 彼はその袋をヒューゴに渡した。
「ありがとう」
 ヒューゴは緑色のキャンディーを取り出した。
「お、緑だ。ジミー、おまえも」
「サンキュー」
 ジミーはヒューゴから袋を受け取り、キャンディーを出した。
「あ、自分のは黄色か。ほら、スティーブン」
「ありがとうございます」
 スティーブンが出したのは…。
「やった、白いのだ」

 「みんな、キャンディー持ってる?『せーの』で食べて、何味かを言おう」
 フィルの提案に全員が賛成した。
「せーの!」
 4人が一斉にキャンディーを口にして、しばらく口の中で転がした。
「僕のは、カシス味かな。ヒューゴのは何味だった?」
「青リンゴ味だ」
「自分のはパイン味」
「俺のはミルク味です♪」
 めいめいが自分のキャンディーの味を明かし、みんなで「甘い宝石」をゆっくりと味わった。
作品名:LOVE BRAVE外伝Ⅲ 作家名:藍城 舞美