LOVE BRAVE外伝Ⅲ
エピローグ
「さっ、宝物も見つかったことだし、戻ろうか」
ちびLOVE BRAVEは、ヒューゴが引いてくれた線をたどって、無事にスタート地点に戻ることができた。4人が神殿の外をうろうろしていると、目の前に虹が出現した。
「この虹を渡って帰るのかな」
ジミーが不思議そうに言うと、フィルはさっさと虹を歩き始めた。仲間たちはリーダーの後を追った。
虹を渡っている途中、フィルが言った。
「いやあ、楽しかったね」
ジミーがうなずいて言った。
「普通じゃあり得ないことをいっぱい経験したよな」
ヒューゴも言った。
「俺、少しは妖精も信じてみるか」
「妖精の国とお別れするの、何だか寂しいです」
スティーブンが寂しい笑みを浮かべた。
虹の橋のピークを超えて下りに差し掛かると、見覚えのある光景が見えた。
「あれは、俺たちの町か?」
ヒューゴが言うと、答えるようにジミーが言った。
「う~ん、建物的にそれっぽいな」
橋の後半を渡っているうちに、4人の体が実年齢のそれに次第に戻っていった。
やがて、現実世界に到着して最後尾にいたスティーブンが橋を下りると、虹は音もなく消えた。
「夢……だったのかな」
スティーブンがつぶやいたが、彼は3個のキャンディーがまだ入っている白い袋を確かに手に持っていた。
作品名:LOVE BRAVE外伝Ⅲ 作家名:藍城 舞美